3月15日 TBSラジオ キラ☆キラ 15時台 サウンドパティスリー 上杉隆 3
テーマ:上杉隆上杉「で、その時にやっぱり悔しいのは・・・あまり本当は言いたくなかったんだけど。(被災)二日目とかに、フリーの皆のところに、『これは十人とか二十人の規模じゃないぞと。何百人も死体が転がっている』と。」
小島「はい。」
上杉「行方不明者というか、まだ助かっている人が絶対いるんだと。早く救援部隊を遣すように言ってくれと・・・それが伝わらないんですよ。」
小島「うーん。」
上杉「最初の発表が8千人の自衛隊。桁が二つ違うだろうと。で、後から結局、段々と増やしていくんですよ。逆ですよね。最初に10万人規模で送るべきなんですよ。それで頭に来て・・・。」
小島「たしかに10万人規模で送っておいて、ああこんなに要らなかったんだねって引き揚げれば・・・。」
上杉「『大袈裟じゃないか、上杉』と言われても別に構わないですよ。デマだろうがなんだろうが。可能性の問題ですから。」
神足「うーん。」
上杉「それであと悔しいのが、初日にアメリカ軍が救援を含めて助けるぞと言った訳ですよ。で、官邸、断ったんですよ!で、今また入ろうとしている。実際に。これはもう言っていいんですけれど、それでもまた断ったんですよ。」
神足「それは何でですか?アメリカの・・・。」
上杉「メンツと官僚と、それから要するに海外メディアも排除しているから情報が入らないんです。」
神足「はぁ・・・。」
上杉「それで今は入ったんですけれど、実はやっと。それも実は、昨日からこの原発の問題に関しては世界中で大変な問題だと、メルトダウンするぞと言ったんです。」
神足「うん。」
上杉「私も。海外のメディアも全部そうですから。専門家も。メルトダウンという言葉を使ったらバッシング受けたんですよ、二日間ずーっと。知っていると思いますけれど。メルトダウンという言葉を使うなと。」
神足「うん。」
上杉「使うかどうかじゃなくて可能性を言っているんだと。最悪の事態に備えてやるのが一番だと。枝野さんに電話したのも、最初3キロ四方と(会見で)言ったんですよ。『3キロ圏内から逃げてくれ』と。」
小島「はあ。」
上杉「3キロじゃないでしょと。最初に言うのは30キロ!世界中。30キロでやって、原発事故の時は大袈裟でいいんですから。大丈夫だったら20キロ、それから10キロと減らしていくのが普通のやり方なんですよ、ダメージコントロールの。」
小島「うん。」
上杉「ところが、官邸、官僚、役人、東京電力、電事連、そして記者クラブ、放送局、新聞。全部ですね。まず、やらなかったのが、3キロ、5キロ・・・それに対して、突っ込めって誰か一人!誰一人訊かなかったんですよ。」
小島「あの、こういう非常時・・・。」
上杉「人災だよ、完全に・・・。」
小島「そうですけれども・・・普段の暮らしもそうですけど、こういう非常時なんかは大袈裟だって言われたらどうしようとか、騒ぎ過ぎだっていわれたらどうしようっていう気持ち、それと実際に限られた人手をいちばん効率的に分配するにはどうしようとか。あと、大事が起こったんだという印象を与えない方が、まあいいんじゃないかという色々な思惑があって判断はしているんでしょうけれど。ただやはり、人が安全に身を守れることが第一ですもんね?」
※この間に、副調整室からイヤホン越しで男性の叫び声に似た声を確認(TBSラジオ上層部の人?)。
上杉「あの、人命が懸かっているんで。特に、原子力は大袈裟で良いんです。というのも、『確認します、確認します』と枝野さんは言ったんですよ。『被害はありません』って言い続けた訳ですよ、ずっと。その時に何て言ったかというと、『確認した情報から徐々に出して行きます』と何度も言う訳ですよ。」
小島「うん。」
上杉「その時も(枝野氏の)携帯に電話して、『確認した情報じゃないんだ!確認した瞬間に原子力の場合は終わっているんだ』と。」
小島「途中から枝野さんもトーンが変わりましたけど。起こり得ること幾つか挙げて、その中で最悪の事態でこれが想定される。で、医原上は今はこういうところだからと、そこには至っていないという言い方が人間は安心しますよね?」
上杉「原子力に関しては、もう放射能は出ていますよというのは分かっていましたし、東京に飛んで来ているのも分かっている。これは身体に影響はないですけれど。ただ、その事実を知らないと対応出来ないじゃないですか?それを言えと言っている訳なんです。」
小島「うーん。」
上杉「しかも皆、海外メディアもフリーも現地に行っているから情報を持っているんです。ガイガーカウンターで広河隆一さんとかが測ったら(メーターが)振り切れている訳ですよ。これを伝えなくちゃいけないのに、NHK以外が伝えないんですよ。」
神足「僕、その時ね思うの。あまり大袈裟に言っちゃいけないのは何故なんですか?メディアというのは?」
小島「それは色々な思惑があるのかも知れませんね。」
上杉「大袈裟に言わないのは、NHK以外がやらないというのが一つの理由ですね。要するに全部、東京電力のTEPCOのコマーシャル入ってるかなんか知らないけれど、誰一人質問しない、批判はしない。未だに。」
神足「うん。」
上杉「そんなのね、スポンサーとか利権じゃなくて、人命懸かっているんだから言わなくちゃダメなんですよこれを!で、結果としてこうやって被害者が出てる、犠牲者が出てる。そして、かえって国際的な信頼を失って株価が下がり、日本は何やってるんだと。」
神足「うーん。」
上杉「助けに行った時に断っておいて、いまさら言っておいて。アメリカ軍が入っているんですよ!実は。原子力(発電所)に・・・。」
小島「先ほど、上杉さんが人災という言い方をしたんですけれど。つまり、人々の不安を大きくするような混乱させるような情報の出し方をしてしまった。それから、情報入手の仕方が上杉さんのような人の声が届かなかったことによって、実際に対処が遅れてしまったという面もある。主に官邸ですけれども、どう判断するのか非常に動きが遅かったということですね?」
上杉「そうですね。あとね、情報が多様化していればこういうことにはならなかったんですよ。だから、記者クラブとしつこくずーっと言っていたのは、残念ながら遅かったんですけれど。」
神足「うん。」
上杉「もし(会見に)入っていたら、私だろうが他の人だろうが海外メディアだろうが、『いやこれ、大変なことになっています。IAEAから勧告が来ています。勧告が来ています。ヨーロッパの国(の人)は日本から国外退去命令が出ています』と。それ知らないですよね?皆、たぶん。」
神足「うんうん。」
上杉「もうとっくに出ているんですよ。」
小島「ヨーロッパの国々は、自国の人に対して日本から退去するようにと?」
上杉「最初はフランス大使館かな?『関東平野から出ろ』と。アメリカ大使館も、『西に行け』と。退避勧告。まあ、イギリスもそうですけれど。要するに、核の問題に関しては対応出来ないから。あの、後じゃ遅いんですよ。とにかく、その事前にやらなくちゃいけないんです。」
小島「つまり、一番最初の段階で最も大きい被害を想定して行動しておけば、事態が段々明らかになった時にそれに則したようにまた行動を変えていけばいいのであって、いちばん最初の段階で最も小さな避難しかしないと予想よりも被害が大きければ間に合わないと。」
上杉「間に合わなかったですね。」
神足「ネット上で、一号機が爆発した時点で既に風向きはどっちだ?という情報が主流になる。そういうことを皆やりとりしているのに、全く問題ありませんだけなことを公的機関が言っていると、益々その自分たちで助かる為の方法を捜さないといけなくなる。」
小島「そうであればこそ、公的機関がなるべく迅速に様々な道を通って、同じ情報をいっぺんに出すことが一番デマが出回らずに済むという・・・。」
上杉「繰り返し言うように批判的なメディアが入っていればですね、枝野幸男官房長官が一号機が爆発した時、『水素爆発です。健康には問題ありません』と。三号機が爆発しますと言った時に何て言ったかというと、『仮に爆発しても、人体に被害を及ぶものではありません』と言ったんですよ。」
神足「うん。」
上杉「人体に被害がないって、今、何て言っているんですか?あの人。で、それを今度は褒めるんです。しかも、その間の官房長官会見、誰一人そのことについて質問しなかったんです。なぜかというと、フリーランスや海外メディアにネットメディアを全部排除してるから。」
神足「うん。」
上杉「つまり、スポンサーに乗っかって、要するに電力会社、原子力政策に誰一人文句を言えない。ま、これ言ったらたぶん僕、終わりだけど、要するに・・・。」
神足「いや、ただそこはちょっと勘繰り過ぎじゃない?」
上杉「いや、勘繰り過ぎじゃない!全然。じゃ、会見全部見て下さい。誰一人、言わなかった。今ね、この事故が起こってから初めて質問しているんですよ!それも東電と保安院の会見に入ってフリーランスとかがやっと質問し出してからなんですよ。あと、NHKだけですよ、斬ったのは。報道も。」
小島「人々の安全を考える上で言ったら、様々な意見の質問者がいる場所に同じ情報を同時に出すことがたぶん一番確実ですよね?」
上杉「そう。」
小島「区切ってしまうと、様々な意見の人があちらこちらで独自に取材をしたり、情報を得られなくなってしまったりで、間違った情報を伝えてしまうこともあると思う。」
上杉「今回、何でここまで言っているかというと、人命が関わっているし、結果として残念ながらそれによって失われた人命がある可能性がある訳ですよ。非常に。だから、情報公開だと。」
小島「これは会見の場を、海外に対しても記者クラブに属していない人でも開放するということにはなっているんですか?」
上杉「まだなっていません。その間に、一昨日の夜に、この現状を見て原口(一博)前総務大臣が『まずい』となって電話して来てくれて。『どうなってる?』って言うから、事情を説明したんです。そしたら、すぐに官邸に乗り込んで行きました。」
小島「ああ、そうですか。」
上杉「権限はないの。菅さんに直接言って。そしてその後に、官房のチームの方に入ってそれで対応すると言って。何とかなると思ったんですが、まだなりません。」
小島「これ本当に・・・全ての人に関わることですので、情報が隅々まで行き渡るようなるべくたくさんの情報の出し手に対して公の場でいっぺんに出すということが、全員を守るということになる。」
上杉「繰り返すように、多様性なんですよ。色んな情報があれば選択して、間違っていたら消えて行けばいいんですから。とにかく、情報を一本化する危険性。寧ろ、多様な情報っていうのを求めたんですけれど・・・。」
小島「これは強く訴えたいですね、本当に。引き続き、働きかけて頂きたいなと思います。」
上杉「まだ間に合わない・・・間に合うこともあるし。ちょっと残念ですね、今回は。」
小島「上杉隆さんでした。残念ながら、お時間になってしまいました。ありがとうございました。」
上杉「残念・・・。」
(CM)
小島「えー、あの。上杉さんのお話。エンディングまであとほんの少しなんですけど。海外の記者を入れないということは、つまり海外に誤った情報が伝わる可能性もあると。」
上杉「そうです。」
小島「海外からの声も入って来ない可能性があるということなんですね。海外にある公的機関からの声もなかなか官邸の耳に入らないと仰っていた。具体的には何のことなんですか?」
上杉「初日からIAEA国際原子力機関が、日本政府に対して『情報を正しく出してくれ』と。『これはもう、世界の問題なんだ』と。繰り返し勧告に近い形、勧告に近い形で。最後は、勧告です。で、決議もしました。昨日。」
神足「うん。」
上杉「これ起こしているんですよ、とにかく。『とにかく、情報を公開しないと世界の問題なんだと原子力は、核は。』と言ったんですけれど、このことに対して反応しない。やっと昨日反応しましたけど、政府は。日本のメディアは。」
小島「初日からアクションがあった訳ですね?」
上杉「日本のメディアはこれを報じていないんですよ。何で報じないのかと。海外メディアは、これ全部報じていますから。ネットも見ていると分かると思いますが。」
小島「うーん。」
上杉「だから、こういう様なことを作っちゃいけないと、情報格差。被害に遭うのはいつも国民だし、その地域の住民ですから。でも、ここはね、きちんと本当にやって欲しいなと。残念ながら思いますね。」
小島「引き続き、上杉さんはTwitterで逐一、呟いていらっしゃいますしね。官邸もTwitterを始めていますので、併せて動きを見ながら。より沢山の道を通って、同じ情報が同時に行き渡ることほど安全なことはないという前提に立ちましょうと。」
上杉「僕は(自分が)正しいなんて一言も言っていないですからね。確認してもらってね。色んな(情報)のがあるんだから、見てから判断してくれと。」
小島「沢山の道を情報が通るということが、沢山の人に正しい情報がほぼ同時に行き渡る最も安全な方法、手段なんだということですね。繰り返しになりますが。ありがとうございました。」
http://www.tbsradio.jp/kirakira/sample.htm