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5つ星のうち 4.0
超強力なので、扱いには気をつけて, 2012/9/19
この製品はかなり昔に、防犯用に買っていたものが使えなくなってしまったので、また入手しなければと思っていたのですが、なんとAmazonで売っているとは。
昔は一般ではなかなか買えなかったので、輸入ミリタリーグッズ専門店で買いましたが、今は円高のお蔭かだいぶ安くなっているようです。私はこのスプレータイプと、金属の筒に仕込んで肩章部分に下げる、グリーンベレーで採用されているモデルを所持していました。
一定期間(たぶん1〜2年)経つと、自然に蒸発して無くなりますので、何個か購入する場合は、一緒に買わずに時期をずらして買うようにお勧めします。
中身を試してみたことがありますが、買ってからけっこう経った頃です。…実際にどんな風に出るのか?と思い、少し噴射してみました。
ベランダの窓を細く開け、手だけベランダに突き出してカーテンの陰に隠れながら少し出してみたのですが…驚きました。
窓の隙間からとんでもない刺激臭が部屋の中に入ってきて、とてもその場に居られず、あわてて窓やドアを全部開け放ち、トイレに逃げ込みました(笑)
風はほとんど無い状態だったのですが…
もう二度と家ではやらないと誓ったものの、性懲りも無く、夜中に橋の上を歩いている時に、使用期限が切れかかっていることもあり盛大に噴射してみたのですが、外だとさほど強烈には感じませんでした。
つまり、使い方はかなり慎重にしなければならない、ということです。
間違えて逆に自分のほうに向けて持ってしまったり、強風下で風下から風上に向けて噴射したりすると、かえって自分のほうがやられてしまうでしょう。
風のない場所や屋内で使ったりすると、けっこうな時間、その空間に影響があります。
道具を持つのは心強いことですが、きちんと使える冷静さと判断力、使える技術を養っておくことも、同じぐらい大切だということだと思います。
実際、武器を持ちたいならば、傘で突くこともできますし、テレホンカードみたいなものを掌に挟めばカミソリ代わりに使うこともできます。
知り合いのとても小柄な男性なんか、大男と飲み屋で喧嘩になってしまったことがあるそうです。腕力ではとても適わないので、ズボンのポケットに入っていたステンレスの櫛を掌に隠し持ち腰に構えて見せたら、櫛がキラリと光ったので、相手はナイフを構えたのだと勝手に勘違いして、逆に警察官に助けを求めに行ったそうです。もちろん、持っていたのはただの櫛なので、お咎めなしですが、彼の戦闘意欲の賜物でしょう。
護身術でも武道でも格闘技でも、幾ら習っていても、その技じたいは、どの程度実戦の役に立つか、甚だ怪しいものです。
しかし、習っていれば、いざという時にはどうしよう、という心構えをしていることで、冷静に判断が出来、逃げるにも素早く行動を起こせるというメリットはあると思います。
たとえ自分が技を使えるというのが錯覚であっても、その思い込みによって足がすくんだりすることなく、冷静に動けるという副次的なメリットをもたらすのであれば、有用なものだと思います。
防犯グッズを準備しておく、ということも、実際にそれを使って役立ったかどうかよりも、むしろ、防犯グッズに目をむける、危機管理意識を磨くことが重要なのだと思います。
催涙スプレーは、私の実験の結果を見ても(笑)防犯グッズの中でも、そんなに使い方は易しいほうではないと思います。よほどの事態にならない限り、混雑した車内なんかで使えるものではありません。
とてもじゃないですが、これをまともに食らったら、行動力を奪われてしまいますが、それだけに周囲にも影響があり、使うTPOは難しく、かつ冷静さも必要だと思います。
製品としては、所持の仕方に対する工夫がなく、単なるスプレーなので、★1つ減点。
キーホルダーにもなる専用のケースなどがあればいいと思いますが、殺傷能力のあるものをあからさまに腰にぶら下げて歩くわけにもいかず、かといってバッグにしまっていたらいざという時の役には立たないので、催涙スプレーじたい、微妙な製品ではあると思います。
買ったからと言って、これさえあればと安心せずに、使い方を研究したり、何よりもそんな危ない状況に身を置くことのないように自己管理をすることが、何よりも大切なのではないでしょうか。