'12/10/12
iPSの臨床応用を否定 「治療実施」の病院
体を構成するさまざまな細胞になる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った初の臨床応用をしたとの
森口氏はハーバード大客員講師を名乗り、総合病院で臨床応用を実施したとしていた。
森口氏は同日までにロックフェラー大で開かれているトランスレーショナル幹細胞学会で治療の内容をポスターで発表した。だが、学会は「内容に疑義がある」として、ポスターを撤去した。12日は森口氏本人がポスターの前で、参加者らに治療内容を説明する機会も設けられていたが、予定の時間を過ぎても会場に姿を現さなかった。
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった
森口氏は共同通信の取材に、心筋細胞をつくり患者に移植したとし、「大学の倫理委員会を通すなど、きちんと手続きを経て研究を進めている。iPS細胞を作る手法が山中教授と違うと言われるが、私は私のやり方でやっていて、移植後も問題は生じていない」と説明していた。
学会を主催する「ニューヨーク幹細胞財団」は声明で、研究について必要な承認を得るのは発表者の責任であり、財団は発表に疑問が生じた場合は(ポスターを)撤去する権利があると、撤去理由を説明した。
森口氏は東京大病院特任研究員。東京医科歯科大で看護学を学び卒業、医師の免許は持っていないという。