ウィットマーシュ、ハミルトンの育成方針を誤ったと語る
2010.04.06
マクラーレンのチームプリンシパル、マーティン・ウィットマーシュは、ルイス・ハミルトンは時に性格上の欠点を露呈し、コース上でトラブルを巻き起こすこともあるが、彼がそうなった原因の一部は幼いころから面倒を見てきたマクラーレンにあると述べた。
マクラーレンが幼いころから育て上げたハミルトンは、F1デビューイヤーの2007年にわずかの差でタイトルを逃したが、2008年には見事チャンピオンに輝いた。
しかしその数カ月後、2009年開幕戦オーストラリアで彼は、レーススチュワードに対して偽証を行った。今年の同GPの前にはメルセデスに乗り公道で違法運転を行い、地元警察に検挙され、その週末のレース中には無線でチームの戦略を非難、レース後のテレビインタビューでも同様の発言を行った。
マクラーレンはハミルトンに英才教育を施したが、温室育ちの彼は挫折を知らないために、F1に昇格してから苦労をしているのだとウィットマーシュは考え、マクラーレンはその教訓を生かし、現在育成している若手には苦労も味わわせていると述べた。
「私たちは彼が12歳の時に契約し、ずっと面倒を見てきた」とウィットマーシュはデイリー・テレグラフにコメントしている。
「ほとんどの決定が彼のためになされた。彼の人生、彼のキャリア、そういったあらゆるもののためにね。非常に人工的な環境だった。流れるようにスムーズな人生をずっと送ってきて、バランスのとれた人間になれるだろうか? 彼は1年前に突然現実の問題に直面した」
「肉体的にも技術的な知識面においてもこれほど準備が整っていたルーキーはこれまでいなかった。ただ、精神的な準備については分からない。彼はデビューを果たし、(2007年の)序盤9戦すべてで表彰台に上った。こんなことは二度と起こらないだろう。F1のキャリアにおいて最も驚くべきスタートだ」
「私たちは今、オリバー・ローランドという少年の面倒を見ている。私たちは彼をカートのトップチームから別のチームへと移籍させた。そこで彼は逆境を経験できる。私たちはそれをルイスの時にはやらなかった。彼はずっと、最高の道具で戦ってきたのだ」
「私たちは子供たちに失望感を味わわせる必要があることを学んだ。2009年のオーストラリアGPまで、つまり8歳から24歳まで、彼はすべてのレースウイークエンドにおいて、優勝できる力のあるマシンを持っていると自覚してレースに臨んできたのだ」
「それが鎧の裂け目となった。ルイスはひとつの実験であり、プログラムだった。すべてがうまくいったが、ひとつだけ足りないものがある。ひとりの人間に人生における決断をする力を与えることは必ずしもできないということだ」
「ジェンソン(・バトン)はありのままの自分でいることにとても満足している。去年彼はタイトルを獲ったが、その前にはプレイボーイだと見られていた。最適でないチームに属したせいで、集中していないなどといわれ、才能を無駄遣いしていた。彼は苦労したことで、今のように成長したのだ」
(オートスポーツweb)
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