読売新聞は13日付の朝刊で、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床応用を森口尚史氏が行ったとする報道について「同氏の説明は虚偽で、それに基づいた一連の記事は誤報と判断した」との見解を示した。その上で11日朝刊1面「iPS心筋移植」などの記事に誤りがあったとして、「おわび」を掲載した。
読売新聞は記事の中で、森口氏の論文の「共同執筆者」とされる大学講師が論文執筆に関与していなかったことや、研究成果について米ハーバード大の関係者らが真実性を否定していることなどを根拠に、虚偽と判断したと説明。11日朝刊1面のほか、その関連記事である3面、同日夕刊1面などの記事に誤りがあったとしている。
また、検証記事の中で大橋善光・東京本社編集局長は「『事実だ』と主張し続ける森口氏の説明は客観的な根拠がない」「見抜けなかった取材の甘さを率直に反省する」などとし、今後も徹底的な検証を続ける姿勢を示した。