中韓への修学旅行に警鐘「反日洗脳教育の危険」 千葉黎明高校西村清理事長が激白

2012.10.11


今年5月、ソウル市に開館した慰安婦の博物館【拡大】

 中国や韓国による、日本の領土・主権侵害が深刻化するなか、高校などの修学旅行で両国を訪れることに「生徒の安全が心配」「反日洗脳教育が行われる危険がある」との指摘が浮上している。中止や再検討する学校が続出しているが、私立千葉黎明(れいめい)高校=千葉県八街市=は今年、修学旅行先を被災地の岩手、宮城両県にした。同校の西村清理事長が取材に応じた。

 「中国と韓国の文化や伝統には、当然敬意を払いたい。だが、中国は、日本固有の領土である尖閣諸島(沖縄県)を狙っている。韓国は、竹島(島根県)を不法占拠し、根拠のない慰安婦問題を蒸し返している」

 西村氏はこう語る。千葉黎明高校は大正12(1923)年創立、普通科と生産ビジネス科が併設された伝統ある男女共学校だ。「文武両道」「師弟同行」という教育方針の下、人間性重視の教育が行われている。

 修学旅行情報センターのHPによると、全国の高校で一昨年、海外に修学旅行に出かけたのは1008校で、うち中国は83校、韓国は141校となっている。日中、日韓関係が悪化するなか、生徒の安全確保が問題になっている。以前、海外修学旅行も検討した西村氏は「それだけではない」といい、こう続ける。

 「両国とも、一方的に日本を悪者にした記念館などが多々ある。そんなところに生徒を無防備に連れていけば、いいように『洗脳』される危険がある。実際に、韓国で修学旅行に行った高校生が謝罪を強要され、土下座させられたという話も聞いた。果たして、それが教育といえるのか」

 同校の2年生233人と教員19人は今年9月、岩手県と宮城県を3泊4日の日程で修学旅行に訪れた。昨年夏、同校アーチェリー部が北東北インターハイに出場した際、西村氏らは三陸海岸を車で走り、東日本大震災の惨状を目にした。その経験がきっかけだった。

 「想像を絶する被害だった。言葉を失った。犠牲になった方々に手を合わせ、改めて『被災者や被災地を救いたい』と思った。日本は有史以来、数多くの大災害に見舞われ、その度に復興してきた。今回も『被災地は必ず立ち直る』と信じている。そして、東北こそが生徒たちが歴史を学び、自然を学び、平和を学べるところだと確信した」

 経済効果も大きい。修学旅行費は生徒1人あたり9万円。交通費を除けば、宿泊費などで1000万円以上が被災地に落ちる計算になる。

 「同じ金額を寄付するのは大変だが、修学旅行ならば地元と交流もでき、貴重な経験を得ることができる。高校生の世代こそ、復興の実行委員だと私は思う。震災では『絆』がクローズアップされたが、さらに発展させて吉となるように『結(むすび)』にしたい」(安積明子)