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【月刊正論】「尖閣防衛の最前線」国境の島で見たこと、考えたこと
――国会議員が自国の領土を視察するというのに、漁師見習いという立場ですか。奇妙というか滑稽というか。そんなことだから、中国は領土的野心を膨らませるのでしょう。
西田 日本という国は他国とトラブルが起こると、事を荒立てない方向に走ります。尖閣の場合は、「日本人も上陸させないから、中国人も上陸は控えてくれ」という収め方を自民党政権がしてしまった。主権に関わることですから強く主張すべきだったのに、それができず、中国に付け入る隙を与えてしまった。自民党議員としては忸怩たる思いです。そして民主党政権になり、これをチャンスと見た中国は領土的野心を隠すことなく、これまで以上に尖閣に対する圧力を強め始めた。民主党政権はそれにまったく対応ができていません。海保の巡視艇に体当たりした中国船の船長を逮捕しながら釈放するという、主権国家としてあるまじき対応を取って平然としている。
――そういう弱腰の対応に対する国民の怒りが、東京都の尖閣諸島購入募金に向けられているわけですよね。
西田 その通りです。
豊かな漁場-まず避難港の建設を
――尖閣の海域では、台湾の漁船と遭遇されたそうですね。
西田 夜中に尖閣へ向かっていると、漁火が見えるんです。水島さんたちは「台湾の船だ」と言い、われわれの船が近づいていくと逃げていきました。海保の巡視艇がわれわれの船と併走していましたから、その船は海保に気付いて逃げ出したのでしょう。尖閣から石垣に帰る途中にも遭遇しました。われわれの船の数倍もある大きな船でした。船体に描かれている漢字が旧字だったので台湾の船だと思います。悠々と大きなマグロを釣り上げていましたよ。この時は、海保の巡視艇は離れて見えなかったのかもしれません。
台湾との間には残念ながら国交がありません。それゆえ日台漁業協定もありませんから、排他的経済水域で台湾の船が操業することは本来できません。一方、日中間には漁業協定が結ばれており、中国漁船の操業は可能になっています。一昨年の体当たり事件は、島から12海里以内、つまり日本の領海に中国船が入り込み、これを海保が追い出しにかかって起きたわけです。
漁師さんたちに聞きますと、この海域では中国船、台湾船がしょっちゅう大船団でやってきて大がかりな漁をするそうです。そのさい、日本の延縄が切られるなど、大きな被害が出ている。日本の排他的経済水域なんですから、安心して漁ができるように監視体制をしっかりしてほしいというのがみなさんの願いであると聞かされました。続きは月刊正論8月号でお読みください
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