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【月刊正論】「尖閣防衛の最前線」国境の島で見たこと、考えたこと
――陸に上がってすぐに記者会見を開かれましたよね。ビデオで見るかぎり、その時はシャンとしているようにお見受けしましたが。
西田 帰港の2時間ぐらい前になって、「ようやくこれで陸に上がれる」という安心感に包まれ、さらに西表島と石垣島の間の島陰に入って波が緩やかになった。だから1時間前にはずいぶんシャンとしてきました。
――今回の視察は、チャンネル桜の水島総代表の誘いに応じたという形ですね。
西田 そうです。水島さんに「この週末に行くんですよ。西田さんも行きませんか」と誘われました。予定表を見ると調整すれば可能だったので、「じゃあ、行きましょう」ということになった。日本が尖閣を実効支配していることを世界に示すためにも、国会議員は尖閣を訪問すべきだと、かねてから考えていましたから、渡りに船という形でした。
私にしてみれば予想以上に大変な旅でしたが、水島さんたちに聞くと「8回行ったけれど、今回が一番ましなほうじゃないか」と言われました。われわれ国会議員は比較的大きな、といっても10トン未満の漁船に乗せてもらいましたが、それでもひどい船酔いに襲われました。他の方々は半分ぐらいの大きさの漁船で行かれていますからね。私は本当にその方々の勇気に敬意を表したいですね。
――そう考えると、日本青年社の人たちが尖閣に灯台を造ったというのは、命懸けだったと言えますね。
西田 その通りです。よくあそこまで機材を運んだものだと思います。海の上では何が起こるかわかりませんから。実際に今回は、船団の1隻がエンジントラブルに見舞われ、他の船に曳航されることになりました。われわれの船団の周りでは、海保の巡視艇が国境警備をしていました。漁船と比べると桁違いの大きさです。この存在は、われわれに安心感を与えてくれました。ただ、本来ならば国会議員が海保の船で視察すべきなんです。ところが政府自身が調査活動を含めて主権を行使するのを禁じている。だから、われわれは国会議員としてではなく、漁師見習いという立場で参加したんですよ。
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