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できごと
解体か保存か…橋下市長が酷評した「時空館」の菱垣廻船、“針路”定まらず
今年度末の閉館が決まった大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」(住之江区)の施設再利用で市が頭を悩ませている。約10億円かけて復元したメーン展示物の菱垣廻船(ひがきかいせん)が巨大で解体しなければ外に出せない一方、残したままでは再利用の方法が制限されるからだ。市は年内に施設再利用を引き受ける民間業者の公募を開始する予定だが、船の解体か保存かでギリギリの検討を重ねている。天下の台所を支えた船の“針路”が定まっていない。
■クギの打ち方も再現
平成11年7月、復元されたばかりの大阪市の菱垣廻船「浪華丸(なにわまる)」が時空館への搬入を前に、大阪湾へ実験航行に出た。帆を風で膨らませ、船体を揺らしながら白波をたてる。江戸時代に物流、商業の中心地だった天下の台所・大坂から、物品を積み、江戸に向かった往時の光景を想起させた。
全長約30メートル、幅約7・5メートル、帆柱約27・5メートル。国立国会図書館に保存されていた図面や文献などを参考にしながら実物大に復元された。監修した神戸商船大学名誉教授の松木哲さんによると、週1回、作業に携わる関係者が集まり、半日かけて江戸時代の工法などを確認したという。
松木さんは「クギの打ち方も忠実に再現した」と振り返る。浪華丸は建設中だった時空館の敷地にクレーンで搬入。その後、ガラス約4200枚を使った巨大ドームが浪華丸を覆うようにしてかぶせられ、時空館が完成した。
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