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山中教授“コメントできない”
10月12日 16時22分

山中教授“コメントできない”

日本人研究者が、iPS細胞を使ったヒトへの細胞移植を世界で初めて実施したとする発表にアメリカの国際学会が疑義を示している問題で、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学の山中伸弥教授は、記者団に対し、「論文をきちんと読み、どんなことをして、どんな結果だったのかが分からないと何もコメントできない」と述べました。

そのうえで山中教授は「国内では慎重にiPS細胞の安全性、有効性を動物実験で検討してきており、いくつかの病気ではそれらが確認されたので、いよいよ来年くらいから、実際の患者にお願いして行う臨床研究が始まるかなという段階なので、この段階で十分な動物実験なしに、いきなり人間というのは、私たちの今の考えからは、ありえないのではないかと思っている」と述べました。
また、山中教授は「研究が進めば、治らなかった病気が治ったり、非常に利益を受ける人もたくさんいるので、研究をストップするような議論はだめだ。どうやったら前に進めるか、一方で、社会のコンセンサスをどうやったら早く得られるかは非常に難しい作業なので、研究成果を社会に発信する専門家や、倫理の専門家などを研究所で正式な職員として雇用し、早く検討していきたい」と述べました。

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