李明博大統領夫人肝いりの「韓食財団」のトホホな結末

韓食財団、予算3億5000万円を無駄遣い
ニューヨークの韓国料理レストラン設立計画が頓挫
関連予算を国庫に返納せず、研究業務やウェブサイトのリニューアルに使う

 財団法人「韓食財団」が計画を進め「ファーストレディー食堂」として批判を浴びた、米国ニューヨークの韓国料理レストランの設立計画が頓挫した後、予算を管理していた農林水産食品部(省に相当)が関連予算を国庫に返納せず、予算執行期限の直前まで無駄遣いをしていたことが分かった。韓食財団は、韓国料理の世界への普及を目指すため、李明博(イ・ミョンバク)大統領夫人の金潤玉(キム・ユンオク)さんが主導し、韓国政府が2010年3月に設立した財団法人だ。地方自治体が年度末、予算を使い切るため、歩道のブロックを交換するのと同じようなことが、韓国料理の世界への普及を目指す事業でも行われていたため、批判の声が高まっている。

■2億8000万円で研究業務を一斉発注

 与党セヌリ党の金在原(キム・ジェウォン)議員が5日、農林水産食品部から受け取った国政監査の資料によると、韓食財団は10年に発足した際、ニューヨークに「フラッグシップ(ブランドのPRのために設置する象徴的な店舗)韓国レストラン」を設立する計画を立て、同部は50億ウォン(現在のレートで約3億5400万円、以下同じ)の予算を計上した。同財団が選定した民間事業者がレストランを開設する際、投資を行うためだった。その後、同財団は事業者を探したが、収益の見通しが不透明なため、入札に応じる業者はなかった。同部は国会と協議し、レストランを開設するための場所を賃借せず、買い取ることを前提条件としたが、候補となる場所の買取価格が200億ウォン(約14億円)を超えたため、誰も関心を示さなかった。

 さらに不可解なことがその後発生した。事業が頓挫したため、50億ウォンの関連予算は「不用額」として国庫に返納しなければならないが、農林水産食品部は年末を迎える前に、この予算を急いで使い切った。

 予算執行期限を2日後に控えた昨年12月29日、総額40億ウォン(約2億8300万円)で28件の研究業務を一斉に発注し、また翌日には韓食財団のウェブサイトをリニューアルするため、9億6000万ウォン(約6800万円)で契約を締結した。

 金議員の事務所の関係者は「事業が頓挫してから2カ月足らずの間に、金の使い道を見つけ、年末に一斉に使ったというわけだ。予算を返納しなくて済むよう、年を越す前に急きょ契約を締結した」と指摘した。

■ウェブサイトのリニューアルに7000万円

 だが、このような指摘に対し、農林水産食品部は「何ら問題はない」と主張している。同部の関係者は「50億ウォンの予算は、韓国レストランの設立に限らず、韓国料理の世界への普及のために使うよう、新たに配分されたものだ。予算の濫用には当たらない」と語った。

 ウェブサイトのリニューアルについて同部は「これまでのサーバーの容量に限界があり、高画質の動画など、PRのための資料をアップすることができず、またアクセスが多いとたびたびダウンしたため、10億ウォン(約7100万円)を投じてサーバーを2台から5台に増やすなどの作業を行った。これにより、アクセスが容易になり、PR効果も大幅に向上した」と説明している。だが、韓食財団のウェブサイトの1日のアクセス数は2600人程度にすぎない。

パク・ユヨン記者
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