関西電力大飯原発3号機が再起動する前日、反対派メンバーが民間の警備員に発炎筒を投げ、けがを負わせていた事件で、小浜、敦賀両署と県警公安課の合同捜査本部は、傷害や器物損壊などの疑いで静岡市駿河区、中核派活動家川崎二男容疑者(60)を逮捕した。
逮捕容疑は6月30日午後3時半ごろ、おおい町大島の大飯原発ゲート付近で▽警備会社の車両内に、火のついた発炎筒を置いて車両を損壊させた▽福井市の男性警備員(32)の背中に発炎筒を押し当て、左肩に約2週間のやけどを負わせた▽立ちふさがった福井市の男性警備員(39)に、発火した発炎筒を振り回し脅迫した▽警備員室に発炎筒を投げ込み、おおい町の男性警備員(57)のズボンを燃やし暴行した―疑い。
公安課によると犯行当時、警察官は同町成和のオフサイトセンター周辺で反対派のデモ行進などを警戒していた。原発ゲート付近には数十人の反対派がいたとみられ、民間の警備員が警戒に当たっていた。
複数の警備員の目撃情報や防犯カメラの映像から川崎容疑者を特定した。現場には複数の中核派活動家がおり、捜査班は組織的犯行の可能性もあるとみて調べている。
大飯3号機は7月1日夜に起動。前日の6月30日から、おおい町には全国から反対派約650人(主催者発表)が集結し、集会やデモ行進で再稼働中止を訴えた。原発ゲート付近では十数台の車で道路を封鎖し、作業員が出入りできないようにした。