ちょうど、その頃、私はそうした作業とは別により建設的な言論空間の改革のための準備と運営に忙殺され始めた。
自由報道協会の公益法人化のための準備とミドルメディア構想「NO BORDER」のスタートである。さらには本業であるゴルフの仕事も、春のシーズン到来とともに忙しさを増してきた。
そしてこの10月、メディア・インキュベーション・カンパニーの社長としての私の本来の仕事に目途がつき、とくに10月1日の自由報道協会の公益法人化達成を受け、幼稚な人々とのキャッチボールを再開したというわけである。
後付けでの他者攻撃
“新聞記事盗用疑惑”の事例
さて、話を戻そう。
1年半前、私は、記者クラブメディアやそこで仕事をする者は、原発事故でのメルトダウンや放射性物質の飛散、あるいは被曝についての自らの事実誤認やミスを糊塗するため、まずは時間稼ぎをし、その後、必ずや後付けで他者を攻撃するだろう、と予言した。
それはいつの時代も、具体的にいえば、私が日本のメディアとその人々たちと付き合ってきたこの20年もの間、ずっとそうだったのだが、実際、今回もその通りになっている。
たとえば、江川氏をはじめそうした人々が、ここ数日、私が新聞の記事を盗用したと盛んにインターネット上で煽っているが、これこそ、こうした事例を解説するにふさわしいものだ。
〈上杉氏は、2011年9月22日のダイヤモンド・オンラインの記事およびそれを収めた著作において、昨年3月の原発事故後の各国による退避措置のリストを掲載している。これは3月23日配信のメルマガからの転載としているが、内容は並び順から言葉遣いに至るまで3月19日付の読売新聞に掲載されたリストと同一である〉