ロングセラーとして現在もなお愛読されている、ビジネスの名著『金持ち父さん貧乏父さん』。この書籍は世界51カ国で翻訳され、シリーズ累計で約3000万部を売り上げたといわれている。世界的なセレブにもファンが多いのだが、その著者ロバート・キヨサキ氏の主要会社が破産したことが判明した。

海外のメディアによると、書籍販売の初期段階でプロモーションに携わり、世界的なヒットへと結びつけた企業が、その報酬を受け取っておらず、訴えを起こしていたのだ。その結果、キヨサキ氏の会社は破産を申請したのである。キヨサキ氏は貧乏父さんになってしまったのか!?
 
書籍を執筆した当時、キヨサキ氏はパーソナルファイナンスの専門家として活動していた。自分の父親と親友の父親をモデルにして、お金の運用がいかに大切であるかをわかりやすく解説した書籍は、世界的にヒットすることとなった。

実はセレブからも絶大な支持を集めており、俳優のウィル・スミス氏は息子に財政的な責任を教えるために書籍を読むようにすすめ、俳優であり番組プロデューサーとして知られるオブラ・ウィンフリー氏は自らのショーで書籍を推奨している。実業家で富豪のドナルド・トランプ氏は、2006年にキヨサキ氏と共著を出版しているのだ。誰が会社の破産を予想できただろうか?

問題はかなり厄介なものだ。初期プロモーションに携わった「リーディング・アネックス社」は、キヨサキ氏の会社である「リッチ・グローバルLLC」を相手取り、2368万7957ドル(18億5831万円)の支払いを命じる訴えを起こした。しかし会社にはお金がない。グループ会社の「リッチ・ダッド・カンパニー」(金持ち父さん社)のCEOマイク・サリヴァン氏は、「キヨサキ氏個人の資産は会社においておらず、またグループから金を持ち出すことはできない。2000万ドル払えと言われてもどうすることもできないのだ」と、語っている。

つまり今回の破産騒動で、キヨサキ氏自身が貧乏父さんに転落することはなさそうだ。しかしビジネスの名著といわれる作品の著者であり、世界中でセミナーを開催し講演会を開くような人物である。金持ちになるノウハウを教えるような立場の人であれば、速やかに報酬の支払いを済ませるのがスマートではないだろうか。

書籍にはこんな言葉がある、「未来は明日ではなく、今日きみたちがすることによって作られる」(書籍より引用)。今回の破産騒動の先に作られる未来は……。

参照元:Forbes,MailOnline(英語)