トルコ:戦闘機25機を追加配備 シリア越境砲撃に対応
毎日新聞 2012年10月10日 11時07分(最終更新 10月10日 12時42分)
【エルサレム花岡洋二】トルコ軍は8日、南東部ディヤルバクルの空軍基地(軍民共用空港)にF16戦闘機25機を追加配備した。基地はシリアとの国境から北約90キロの位置にあり、軍情報筋は地元メディアに対し、シリアからの越境砲撃に対応するための配置だと説明した。内戦が激化するシリアでは迫撃砲弾が多数使用され、一部がトルコ側に着弾。3日にはトルコの住民5人が死亡するなど初めて民間人の犠牲も発生し、トルコ側が報復攻撃するなど両国間の緊張が高まっている。
シリアからの迫撃砲弾で市民が死亡したトルコ南東部の町アクチャカレには8日、新しい戦車も配備された。オゼル参謀総長は南部ハタイ県などの複数の基地を訪ね、国境警備の状況などを視察した。
ギュル大統領は8日、「(2カ国間で)最悪のシナリオが進行中だ」と述べ、事態を憂慮した。
一方、トルコ・メディア、ドアン通信は8日、地元情報筋の話として、ディヤルバクルへの戦闘機の移動は、空軍基地の東南約200キロにあるイラク領に拠点をおく少数民族クルド人系の反政府武装勢力に対する越境空爆を強化するためだとして、シリアとの関係を否定した。過去数カ月、トルコ南東部やイラク北部では、トルコからの独立を主張する「クルド労働者党(PKK)」とトルコ軍の激しい戦闘が続き、ディヤルバクルは戦闘機の出撃基地となっている。