PC遠隔操作:「日航爆破」メール履歴削除 証拠隠滅図る
毎日新聞 2012年10月11日 07時11分
大阪市のホームページ(HP)に無差別殺人予告を書き込んだとして逮捕、起訴後に釈放されたアニメ演出家、北村真咲被告(43)のパソコン(PC)から、日本航空に送られた爆破予告の電子メールの送信履歴が削除されていたことが、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は、北村さんのPCを遠隔操作した第三者が、証拠隠滅を図ったとみて捜査している。
府警などによると、8月1日に「成田発ニューヨーク行きの006便に爆弾を仕掛けた」というメールが日航に届き、同便が引き返す騒ぎがあった。インターネット上の「住所」に当たるIPアドレスなどから送信元は北村さんのPCと特定された。他人のPCを遠隔操作できるウイルスを仕込んだ人物が、北村さんに成り済ましてメールを送り、PCから送信履歴を削除したとみられる。大阪市のHPへの書き込みでも、アクセス履歴が削除されていた。
また、北村さんのPCは、インターネット掲示板「2ちゃんねる」を経由してウイルスに感染していたことも分かった。掲示板に紹介されていたサイトを閲覧し、感染源のファイルをダウンロードしたとみられる。ファイルはタイマーなどを設定する機能がある無料の複製ソフトだった。
府警が北村さんのPCから復元したウイルスのファイル名は「iesys.exe」で、三重県警が逮捕後に釈放した無職男性(28)のPCからも同じ名のファイルが見つかっている。【武内彩、三上健太郎】