西岡“先制パンチ”　ドネア陣営とステーキ店予約バトル

　【ロサンゼルス竹下陽二】ＷＢＣ世界スーパーバンタム級名誉王者西岡利晃（３６）とＷＢＯ・ＩＢＦスーパーバンタム級王者ノニト・ドネア（２９）＝フィリピン＝が戦う世界スーパーバンタム級王座統一戦（１３日＝日本時間１４日、米カリフォルニア州カーソン、ホームデポセンター）の公開練習が１０日、ロサンゼルスのジムで行われ、約１００人の報道陣が集まり、注目度の高さをうかがわせた。１２日の前日計量後に行く宿舎近くのステーキの名店を西岡陣営がドネア陣営より先に予約成功。西岡が“前哨戦”を制したかっこうだ。

　宿舎近くの評判の良いステーキ店の予約をめぐって、両陣営の熱い暗闘が展開された。

　「うちは、先手を打ってるからね。今朝、１２日の計量後に行くイタリアンとステーキ屋の予約をしてきたんだ。ステーキはそこが一番おいしいんだよ。直後にドネア陣営も予約に来たらしいけど、うちが先に予約してることを知って、やめたらしい。タッチの差だったよ、ハハハ」

　そう明かしたのは、帝拳ジムの本田明彦会長。ドネアは７月の防衛戦時も同じ宿舎に泊まり、そのステーキ店で計量後の燃料補給をしている。その試合を視察に訪れた西岡もそのステーキ店でドネアと鉢合わせになっているから、お気に入りであることは把握済みだった。「ほかのステーキ屋で腹でも壊してくれんかな」と本田会長もつい、ブラックジョーク交じりの高笑いだ。

　この日は、ロサンゼルス市内のジムで両者が別々に練習を公開。注目度の高さを表すかのように１００人弱の報道陣が集結。西岡は日本、米国、メキシコ、フィリピンの２社ずつ、計８社のテレビ局のインタビューに応じた。現地のブックメーカーのオッズでは５対１と不利が予想されるアンダードッグの西岡だが、リラックスした笑みを浮かべ「スゴい報道陣の数でビッグマッチだなという感じがする。ボクのキャリアの中で最高のコンディション。世界中の人が知る世界の西岡になる」とキッパリ。一方、ドネアも「すごくワクワクしている。賢く戦いたい」と話した。先手必勝の西岡がこのままの勢いで番狂わせを演じるのか。ドネアが食べ物の恨みを晴らすのか。究極の一戦は、ボルテージが上がる一方だ。