東日本大震災で被災した漁港の災害復旧工事を巡り、県議会は１２日、８漁港の整備について工事請負契約を先議した。契約業者のうち県外に本社がある企業が約半数を占める状況。本会議では原案通り可決したものの、環境生活農林水産委員会では、県内企業の少なさについて、「地元企業がもっと参加できるようにすべきだ」との声が相次いだ。

　先議されたのは、南三陸町の志津川漁港や石巻市の石巻漁港の岸壁や防波堤整備など、５億円以上の工事請負契約９議案。うち４議案（４漁港）の契約先が、森本組（大阪市中央区）や宇佐美工業（新潟県燕市）など、県外に本社がある企業だった。

　同委員会では、委員たちが、「県外企業が下請け業者まで県内に引っ張ってきており、地元業者は参加できていない」「地元業者は震災直後、寝ずに復旧に当たったのに、今は下請けもできず涙をのんでいる」などと報告。「地元業者をもっと優先的に使うようにしていくべきだ」と求める声が上がった。

　一方、県内では、人材、資材不足で受注できない業者が出ており、入札不調が深刻になっている実態もある。