コーヒー、お茶のどちらを飲んでも脳卒中リスクが
軽減するという研究結果が最近、国際脳卒中会議(米国)
で発表されました。
1つの研究は、UCLAのDavid Liebeskind博士が、
1988~94年に実施された第3回米国民健康栄養調査の
データを調べ、コーヒー消費量と脳卒中との関係を評価したもの。
40歳以上でコーヒーを飲む習慣のあった9,384人のうち、
脳卒中の診断を受けたのは500人(5%)、
自己申告による脳卒中の症状または一過性脳虚血発作(TIA)
の経験があったのは2,793人(29.8%)であった。
分析の結果、1日に6杯以上コーヒーを飲む人の脳卒中罹患率は2.9%であったのに対し、
1日1~2杯しか飲まない人の罹患率は5%であることが示された。
この研究が発表される少し前に米医学誌「Circulation」
(循環器病学の最高権威論文誌)のオンライン版に2月16日に
掲載された研究では、1980年に被験者登録された脳卒中、心疾患、
糖尿病、癌の既往のない女性8万3,000人強を追跡した結果、
1日に4杯以上コーヒーを飲む人は脳卒中リスクが20%低く、
週に5~7杯飲む人では12%低いことが報告されている。
2つめの研究では、1日3杯を超える「お茶」を飲む人は、
1日1杯未満しか飲まない人に比べて脳卒中リスクが21%
低いことが示された。
UCLA教授のLenore Arab博士は、19万4,000人強を対象とした
9件の研究について、
一般的にカフェインが含まれる紅茶および緑茶について
メタアナリシス(個別の研究の統合解析)を行った。
なお、分析に使われたデータの多くがアジアからのものである。
4,378人が脳卒中を発症しており、どの研究でも一貫して
茶の摂取量が多いほどリスクが低下することが判明。
その機序は明らかにされていないが、
抗炎症作用や紅茶や緑茶に含まれるアミノ酸のテアニン
の作用によるものと考えられている。
この研究はユニリーバ/リプトン紅茶研究所の支援により実施された。
米マイアミ大学ミラー医学部のRalph Sacco博士は、
コーヒーよりも茶に関する研究の方が信頼性は高い
と指摘している。
コーヒーの研究は、被験者のある一時期でのコーヒー摂取について
尋ねたものであり、脳卒中との関連の有無を明らかにするには、
長期的に被験者を追跡する研究が望ましいという。
コメント:
「米マイアミ大学ミラー医学部のRalph Sacco博士は、
コーヒーよりも茶に関する研究の方が信頼性は高いと指摘している。」
・・・しかし・・・、
「お茶の研究はユニリーバ/リプトン紅茶研究所の支援により実施された。 」
・・・この重大な事実をもって私は上記の博士とは見解を異にします。
確かに、お茶の効果も、いろいろありますけれど、
今回の「お茶の研究」に限っては!
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