iPS細胞バブル崩壊の序章?:FDA、Geron社にヒトES細胞の脊椎損傷への臨床試験停止命令
テーマ:ブログなぜか、表題のような重要な報道は、ほとんどされないので、ここで書いておく。 |
8月にも世界初のヒト胚性幹細胞(ES細胞)の臨床試験を予定していた米Geron社は、米食品医薬品局(FDA)より臨床試験開始を一時停止することを命じられたと、2009年8月18日に発表した。 Geron社はヒトES細胞から誘導した神経細胞を、亜急性の脊椎損傷患者を対象に移植する再生医療の臨床試験(IND)の認可を、09年1月23日にFDAから獲得し、8月から患者の登録を準備していた。 ヒトES細胞とそれから分化誘導した細胞には常に発癌性など安全性の懸念が残る。Geron社は05年からヒトES細胞由来の細胞を優良製造規範(GMP)で生産するためのマスターセルバンクを樹立、07年にはIND申請に必要なデータを収集、FDAと交渉を行ってきた。2万1000ページ以上ものGRNOPC1の安全性と有効性を示す書類をFDAに提出、とうとう今年1月にGRNOPC1の安全性を確認するフェーズI臨床試験を行う認可を得たが、患者登録前に再び臨床試験着手の停止を余儀なくされた。なお、この発表によって、同社の株価は前日比10%下落した。
コメント:
これは、今後のヒトiPS細胞を使った再生医療の行方に大きな影響を与えるだろう。ヒトES細胞ですら、このような情況だ。まして、ヒトiPS細胞なら・・・。
私は、従来から、この試験の動向が、ヒトiPS細胞の臨床応用の「試金石」になると見ているが、これでは、日本の「ヒトiPS細胞研究ロードマップ」のとおりには、ほとんど進まない。
もし、このまま、上記のヒトES細胞での臨床試験が中止のままだと、ヒトiPS細胞の臨床応用は、「絵に描いた餅」とまでは言わないが、極めて限定的なものにとどまるだろう。 |