2010年 ブレイクスルー オブ ザ イヤー と新世紀10年のトップ10(Science誌)
テーマ:ブログ画期的な科学成果にiPS細胞など選出 米サイエンス誌
米科学誌「サイエンス」は今年までの過去10年間で画期的な科学研究成果を17日付の同誌で発表した。京都大学の山中伸弥教授が作製した新型万能細胞(iPS細胞)など10テーマを選んだ。
ほかには、米航空宇宙局(NASA)の惑星探査機が明らかにした火星の水の存在や、地球温暖化などの気候変動、太陽系外惑星の発見、がんやアルツハイマー病などと関連した炎症などが選ばれた。
2010年の最も重要な成果では、量子力学の法則に従う運動を実験で初めて再現した米カリフォルニア大学の研究を1位とした。また、今年の科学ニュースとして、日本の小惑星探査機「はやぶさ」の成功も選ばれた。
(日本経済新聞)
米科学誌:「10年の成果」にiPS細胞 「はやぶさ」も
米科学誌サイエンスは16日付の最新号で、今世紀の10年間に科学的に大きな進展のあった10の分野を特集。山中伸弥京都大教授が作成に成功した、さまざまな細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」に関する研究も選ばれた。
今年の主な出来事を振り返る中では、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還(6月)や、遺伝資源の利益配分ルールを定める名古屋議定書を採択した国連生物多様性条約第10回締約国会議(10月)にも触れた。
「細胞の初期化」という項目で研究成果が取り上げられた山中教授は2006年と07年、それぞれマウスとヒトでiPS細胞を作成することに成功。細胞により治療する再生医療や、薬の開発への応用が期待され、同誌は「発生生物学における展望を一変させた」と評価した。
特集では今年の「10大成果」も発表。最も重要な科学的進歩として、米カリフォルニア大サンタバーバラ校の物理学者らがつくった「世界初の量子装置」を選んだ。装置は、原子レベルの微小な世界で起こる現象を説明する、量子力学の法則に従った動きを再現するという。
(毎日新聞)
コメント:
今年も恒例のScience誌が選ぶ、(科学界の)ブレイクスルー オブ ザ イヤー。
昨年は、iPS細胞が、はずされた(昨年の今頃・・・確か2009年12月21日の、このブログ記事を参照してくだい)。しかし、今年は、復活!・・・ハーバード大学の「mRNA法によるヒトiPS細胞樹立」が、この「返り咲き」に貢献したようだ。
一方、2000年からの過去10年間で画期的な科学研究成果という項目では、iPS細胞が選ばれた(のは当然)。
2011年からの10年間で、ヒトiPS細胞の臨床的価値が大きくなることを願う、2010年の暮れ。
今後の5~10年の間に、少なくともヒトiPS細胞を用いた検討が今のように「前面」にではなく、さりげなく、当たり前のように、たとえば「ノックアウトマウスやPCR法」と同程度に論文に記載されなければならない状況になることが望ましい。
そのために、なされなければならない課題はまだ多くある(細かいことを言えばきりがないけれど・・・)。
・・・で、こういう状況で、科学技術の意義にとてつもなく無理解な民主党政権にある日本は不幸である。
以前、ここの記事で、中国が日本を見限る(=利用価値をなくす)のは、日本の科学技術の結晶かつ国民生活を支えてきた主な製品の特許が軒並み切れ、それらの国際シェアが20%をきる2015年くらいかなと書いた。
これが、どうも「前倒し」になりつつある。昨今の「かの国」の無法ぶりから、わかるだろう。
来年は、現在の「売国政権」(中国に利益のあることばっかりやってる)が倒れたら、超一流紙たるScience誌は、2011年の画期的な「政治科学成果」として、日本の科学革命を特集してほしい。・・・まあ、そういう状況にはならないのだろうな・・・。ちなみに、同格の超一流誌、Lancetは、2011年に、日本の医療特集をする。