ドコモのスマホに「ファーウェイ社」
名前も知らない中国企業の実力は?
NTTドコモの秋の新作スマホのひとつは、中国・ファーウェイ社製だという。中国製と聞いて『大丈夫!?』と思った人も多いのでは……。
一体どんな会社なのか?
「ファーウェイ社は従業員の約4割が研究開発者で、その7割が博士号を持つ超頭脳集団。08年には国際特許の出願数世界1位に躍り出た世界最先端の情報通信技術企業です」(経済ジャーナリスト・荻原博子さん)
研究開発費も桁外れだ。
「売り上げに占める研究開発費は10%以上。これはソニーやパナソニックの約1.6倍にも達する割合」(ITジャーナリスト・海老原昭さん)
他にも、躍進著しい中国のハイテク企業は少なくない。
「『百度(バイドゥ)』は検索エンジン市場においてシェアはグーグルに次ぐ世界第2位。社外取締役には元ソニー会長の出井伸之氏も。12年1~3月期の売り上げは約550億円で純利益約240億円。フェイスブックの同四半期の売り上げが約860億円、純利益約165億円だったといえば、百度の優良企業ぶりが理解できるはず」(前出・荻原さん)
「04年にIBMのPC部門を買収した『レノボ』は中国科学院の研究員らが起こした企業です。現在も間接的に中国科学院が経営に関与している実質国有企業」(前出・海老原さん)
太陽光発電の分野でも台頭。
「サンテックパワーは01年に設立された若い企業ですが、太陽光発電モジュール生産量は世界一。急成長の秘密は1万4000人以上の従業員を低賃金で雇用し低価格を実現したこと。ソフトバンクの実証実験でも優秀な成績を上げています」(前出・荻原さん)
大躍進の裏に懸念の声も。
「短期間で世界規模の企業になれたのは、国家の強力なバックアップがあったから。最近ではこれが裏目に出始め、たとえばサンテックパワーは『多額の補助金を受け不当廉売している』と訴えられ貿易問題に発展しています。レノボもアメリカで『安全保障上の懸念から政府機関への納入は控えるべき』という声が上がっています」(中国に詳しい経済誌記者)
今こそ、日本企業の王者奪還のチャンス?
※この記事の公開期間は、2015年09月11日までです。