カードゲームメーカー大手のブシロードグループパブリッシングは、ゲームメーカーのユークスから新日本プロレスの全株式を1月31日、取得したことを同日、都内で発表した。取得額は5億円。新日本の組織と体制は現行のまま変わらない。代表取締役会長に就任するブシロードの木谷高明社長(51)は、大のプロレスファンで「世界一のプロレスカンパニーを目指す」と意気軒高に語った。
マット界の盟主の新オーナーは「ヴァンガード」「探偵オペラ ミルキィホームズ」などで知られるブシロードだった。07年5月に設立された同社は08年7月期の売り上げが3億6200万円だったが、11年7月期で64億9100万円、12年1月の中間期で「60億円を超える」(木谷氏)と急成長している。
昨年5月、K‐1の長島☆自演乙☆雄一郎のプロレスデビューを目玉に開催された「ブシロードプロレスリング」でプロレスに本格参入。8月には新日本のG1クライマックスの冠スポンサーになり、同月末に木谷氏がユークスの谷口行規社長と会食して「新日本プロレスを任せていただきたい」と、打診した。
木谷氏は「中高生のころは、楽しみはプロレスのテレビと雑誌を見ることしかなかったんじゃないか」というプロレスファン。89年と01年には米WWEの年間最大イベント「レッスルマニア」を現地観戦し、ブシロードプロレスリングやゼロワンにはキッダーニ男爵として出没するほどだ。
木谷氏は「30年くらい前は日本とアメリカのプロレスマーケットはそんなに売り上げが違わなかったと思う。今向こう(WWE)は500億円近くある(実際には10年の売り上げが約780億円)。それはメディア(戦略)の差」と指摘。
この日は戦略の一例として、新日本が題材のトレーディングカードゲームを9月発売予定で開発していることを明言。「出荷で10億が最低目標」と言い切り、ここ数年11億円ほどで推移している新日本の売り上げについて「3〜4年で30億くらいまでもっていきたい」との見通しを示した。
ファンからオーナーへ。「ホント人生ってわかんないな」と感慨深げだった木谷氏だが「世界一のプロレスリングカンパニーに。東京ドームがめいっぱいになってウエーブが自然発生する、あの熱狂を取り戻したい」と“政権公約”を掲げた。
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