有毒部位が残ったままのフグを出荷したとして、北海道中標津保健所は11日、羅臼町松法町の水産加工販売会社「丸正斎藤水産」に食品衛生法による回収命令を出した。同日夕までに健康被害の情報はないという。
道食品衛生課によると、同社は2〜9日、有毒部位の尾ひれや背びれなどを除いていないクサフグを発泡スチロール箱に入れ、帯広市に10キロ、釧路市に10.9キロ、札幌市に20キロの計40.9キロを出荷したという。同社は、フグ取扱者に必要な道の「フグ処理責任者講習会」を受講したり、加工施設を保健所に届け出たりしていなかった。
10日に札幌市の業者が同市保健所に「尾ひれの付いたフグが市場に出回っている」と相談し、発覚した。同市内で流通した20キロはすでに自主回収したという。
フグの毒は、舌や唇のしびれ、歩行困難、頭痛などの症状を引き起こし、死亡する場合もある。中標津保健所が詳しい流通経路を調べている。