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iPS心筋移植、ハーバード大で…初の臨床応用  中山教授のノーベル賞受賞も戦略が無ければ”周回遅れ”に

2012-10-11 21:18:55 | 安全保障

iPS心筋移植、ハーバード大で…初の臨床応用

                      読売新聞2012年10月11日(木)07:31  (読売新聞) 
 あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)から心筋の細胞を作り、重症の心不全患者に細胞移植する治療を米ハーバード大学の日本人研究者らが6人の患者に実施したことが、10日わかった。

 iPS細胞を利用した世界初の臨床応用例で、最初の患者は退院し、約8か月たった現在も元気だという。ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大の山中伸弥教授がマウスでiPS細胞を作製してから6年、夢の治療として世界がしのぎを削る臨床応用への動きが予想以上に早く進んでいる実態が浮き彫りになった。

 iPS細胞を利用した心筋の細胞移植を行ったのは、ハーバード大の森口尚史(ひさし)客員講師ら。森口講師は、肝臓がん治療や再生医療の研究をしており、東京大学客員研究員も務める。現地時間10、11日に米国で開かれる国際会議で発表するほか、科学誌ネイチャー・プロトコルズ電子版で近く手法を論文発表する。

iPS心筋移植、ハーバード大で…初の臨床応用(読売新聞)   

iPS心筋移植、日本なら書類の山…森口講師 
                      読売新聞2012年10月11日(木)16:05
 【ニューヨーク=柳沢亨之】あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)から作製した心筋細胞を使い、世界で初めて臨床応用した米ハーバード大学の森口尚史客員講師(48)は10日、この画期的な治療法を学会発表するため訪れたニューヨーク市内で本紙のインタビューに応じた。一問一答は次の通り。   
       ◇  
 ――患者6人の内訳は。 
  いずれも米国籍で、日系の患者も1人。ハーバード傘下の同じ病院の患者だ。最初の患者は肝臓移植を受けていたため、心臓が悪くなったのに次の移植の機会がなかなか得られなかった。心筋梗塞や狭心症、糖尿病も持ち、仮に心臓移植をやっても難しかっただろう。ほかの5人も、慢性虚血性で重症の心不全。危険因子を多く抱えていた。3人は何か治療しなければ死んでいただろう。他の3人も1か月くらいしかもたない状況だった。患者たちの容体は安定し、1人は社会復帰して働いている。 

 ――安全性の確認は。
 心臓に細胞移植をしても、がんになりにくいが、もしなっては困る。(異常細胞がないか)確かめたが、問題が全部クリアできていた。動物実験も問題なかった。 

 ――チーム構成は。 
 5人ほど。私が細胞を担当し、統計処理もやる。過冷却の担当者は生命工学や機械工学を専攻するハーバード大とマサチューセッツ工科大の大学院生ら。学生なら面白かったら参加してくれる。機動力のある仲間がいるからできた。 

 ――日本と米国の違いは。 
 日本なら規制が色々あってできなかっただろう。このまま日本でやっても書類の山をためるだけだった。こうした試みで100%の安全性を求めるのは困難。親方日の丸ではダメ。本気なら(金を)出せよと。私は自腹も切っている。若い人が動けるシステムを作らないといけない。 

 ――資金調達は。
 資金は、大学院生らがボストンのベンチャーキャピタルに行って集めてくれた。ベンチャーからの資金は1億5000万円くらい。ハーバードの名前が効いたかも。(日本では)研究に税金が使われる。そうすると「成果を上げなければならない」との縛りが生まれ、リスクを避けがちだ。 米国と日本では、ベンチャーの数も、目利きできる人の数も違う。臨床ではビジネスに結びつけなければダメ。患者も金をかけており、見合う効果をリターンしなければいけない。その視点が抜けている。
  
iPS心筋移植、日本なら書類の山…森口講師(読売新聞)   

周回遅れにならぬため
  総力戦に備えた戦略、ヒト・モノ・カネが不可欠  

 世界に先駆けて新型万能細胞(iPS)細胞を作成した山中伸弥教授は研究、講演、政府との折衝と、日々めまぐるしい忙しさのようだ。その中でも欠かせないのが渡米だという。行き先は米国カリフォルニア大のグラッドストーン研究所。そこで研究の最新情報を仕入れること。国内にいるだけでは激烈な研究競争に勝てないためだ。
 同研究所の研究スタッフは350人、最新の実験器具を備え、博士号を持つ技術者や知的財産権の専門家らをそろえた優秀な人材が世界各地から集まっている。年間予算も得連邦政府や州の拠出や研究所の持つ基金や一般からの寄付で成り立っている。
 

 カリフォルニア州では2005年から10年で30億米ドル(約3,000億円)の予算を組んでいる。また、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)などの研究施設では年間6,000万ドル(約60億円)程度の予算を有している。ほぼ同等の頭脳があった場合、研究成果に差が出るのは研究費の差であるといえる。また、オバマ大統領は幹細胞研究支援に積極的であり、このままでは今後さらに研究費面での差、つまり研究成果での差が開く可能性がある。
 

 これに対し山中教授を取り巻く研究環境は、ヒト、モノ、カネも厳しい状況にあり、研究資金を募るため教授自らがマラソン大会に参加したとテレビ番組が報道していた。
 iPS関連の研究は世界中で熾烈な競争が行われいる。世界に先んじて研究成果を出し、
defacto standardを取ることでiPS細胞の標準化を狙い、戦略的に研究を優位に進めるためにも機動性のある組織づくりや資源の適切配置が重要となる。1研究所、1大学あるいは1企業が単独で研究するのではなく、また研究者もiPS細胞研究以外にバイオインフォマティクス、ナノテク分野などからも集め横断的な研究組織が必要である。国によるヒト、モノ、カネを集め、法整備を行い各研究者が研究のみに専念できる環境づくりへの支援が重要である。
iPS細胞関連研究が世界をリードしていくための戦略を立案し実行していく体制の確立が重要といえる。

 
更に、研究に投入可能な国の予算は限られている。研究の達成すべき目標にむけてベクトルをそろえた戦略的な資金投入が重要となる。iPS細胞関連研究に用意した特別予算のために、ES細胞関連研究をはじめ、直接的、間接的にiPS細胞研究にも関連している他の研究へ予算配分が少なくなってはこれら関連分野の研究を阻害することになる。海外ではiPS細胞研究を重点研究分野と位置付け、横断的研究分野一体として研究を進めている。日本においても効率的な資源配分が望まれる。

 
これから先、日本が最先端の研究で世界にリードしていくには、山中教授が研究資金を募るためにマラソン大会に出なくても研究を続けるためには、国民の理解と世論サポートが不可欠である。そのためには、研究とその期待される成果や国民が享受できる事項に関して、正しく、分かりやすく国民に伝えるためのコミュニケーンの徹底が必須である。

 
山中伸弥教授の偉大な研究成果に対するノーベル賞受賞は、日本国民へ自信を持たせ夢を与えた。米国だけでなく、中国や韓国など各国が研究に力を入れ熾烈な競争が行われている。これに負けず引き続き大きな夢を与え世界をリードする研究成果を出し続けるためには、国による「結果を出すためのヒト、モノ、カネの適切な配置と関連する法律の整備」が急務のようである。
 夢の治療として世界がしのぎを削る臨床応用への動きが予想以上に早く進んでいる。総力戦に備えた戦略、ヒト・モノ・カネが不可欠、これが無ければ、「周回遅れ」となる。  


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ジャンル:
政治
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