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【フィギュアスケート】五輪プレシーズン、浅田真央の次のステップは?

webスポルティーバ 10月7日(日)17時47分配信

 2014年ソチ五輪のプレシーズンが始まった。10月6日に行なわれたジャパンオープン。日本チームの2年ぶり5度目の優勝に貢献した浅田真央も、シーズンの幕開けに満足のいく滑り出しを見せた。

「シーズンオフにやってきたことをしっかり落ち着いて出せた。初戦ということですごく緊張したが、最後のステップでは観客の手拍子が後押ししてくれて滑り切ることができました。これをスタートとして、2歩でも3歩でもステップアップできるように頑張りたいです」 

 昨年12月に母匡子さん(享年48)を亡くすなど、昨季はなかなかスケートに集中することが難しい状況に置かれ、思い描いた通りの内容や結果を残すことができなかった。そのため今オフは、これまではとることのなかったリフレッシュ休養で心身を整えた。

 そして迎えた今季初戦。前コーチで現在もアドバイザーを務めるタチアナ・タラソワ氏が振り付けた新しいフリープログラムの『白鳥の湖』を初披露。総構成点(演技点)では出場6選手中一番の好評価を受ける出来栄えだった。

 白鳥と黒鳥をそれぞれ演じるフリーのコスチュームは、白とグレーの色使いでシックにまとめた。タラソワ氏が手がけたいくつかのデザイン画から浅田本人が選んだものだという。初陣となったこの日は、白鳥のように可憐に滑り、黒鳥のように激しく力強いステップで観客を魅了。2アクセル(A)+3トーループ(T)のコンビネーションジャンプが2A+2Tになった以外は、安定感のあるジャンプを次々と跳んだ。演技後は会場から大きな拍手とスタンディング・オベーションを受け、舌をちらっと見せるなどはにかんだ笑顔が広がった。

 細かい部分を見ると、最後の3連続ジャンプで回転不足を取られ、ルッツジャンプでもマイナス評価がつくなど課題は残った。ただシーズンはまだ始まったばかりで心配するほどのことではない。今後は体力強化でさらなるスピードアップを図ることが、勝負のカギを握りそうだ。また、浅田の代名詞で、これまで「最大の武器」とこだわってきたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)にも注目が集まったが、この初戦では挑まなかった。

「今季はいつもよりもトリプルアクセルを半分以下の練習量に抑えています。今後どうしようかと思っていますが、シーズン後半には跳べたらいいなと思っています」と、完成度が上がるまでは封印。これまで強みと言えた大技がなくても、今季のトップ争いを戦える自信があるからだろう。

 ソチ五輪までの1年半は、10代半ばの若い選手たちとの熾烈な女王争いが予想される。22歳の経験豊富な浅田にとってはSP(ショートプログラム)とフリーを滑り切るスタミナが必須課題になる。自身のスケート向上に重点を置いている浅田が、自らが最も輝いていた時のスケートにどのようなステップを踏んで戻していくのか。

「永遠のライバル」キム・ヨナが本格復帰し、若手ロシア勢の台頭が著しい今季は、ソチ五輪を占う意味でも目が離せないシーズンとなる。

辛仁夏●文 text by Synn Yinha

最終更新:10月7日(日)17時47分

webスポルティーバ

 

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