全国水平社:「人間に光あれ」実物など展示 90年記念展、開催中−−大阪人権博物館
毎日新聞 2012年10月11日 大阪夕刊
戦前の部落解放運動に大きな足跡を残した全国水平社の創立90年を記念した特別展「水平社の時代」が、大阪市浪速区の大阪人権博物館(リバティおおさか)で開かれている。
全国水平社は、1922年3月に発足した。差別事件への糾弾などを通して被差別部落民の地位向上に寄与したが、戦時体制の波にのみ込まれて42年に解散した。
特別展は、「人の世に熱あれ、人間に光あれ」の文言で知られる結成宣言文の実物のほか、機関紙や旗、大会の写真など約150点を展示している。
創立70年と80年にも特別展を企画してきたが、今回は初めて、全国水平社に比べ体制的とされ、特に戦後は否定的に振り返られてきたことの多い「融和運動」について展示コーナーを設け、当時の報告書やパンフレットなどを展示した。被差別部落の産業実態調査や教育問題での提言など、戦後の研究や運動に先駆けた取り組みをした融和運動の流れが分かる。これまであまり取り上げられなかった、全国水平社内での女性による運動についても紹介している。
11月25日まで。大人500円。高大生300円。大阪人権博物館(06・6561・5891)。【鈴木英生】