世田谷女性殺人:元警視の容疑者自殺 近隣トラブルか
毎日新聞 2012年10月10日 19時47分(最終更新 10月10日 23時42分)
10日午前11時半ごろ、東京都世田谷区野沢1の路上で女性が倒れていると110番通報があった。警視庁世田谷署員が駆けつけると、無職、久保節子さん(62)とみられる女性が、自宅玄関前で首などから血を流して倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。
警視庁は何者かに刃物で切りつけられたとみて捜査したところ、襲ったとみられる男が事件直後に久保さん宅に逃げ込んだことが判明。警視庁捜査1課特殊犯捜査係(SIT)の捜査員が約2時間後にベランダなどから屋内に突入したところ、玄関脇の部屋で倒れている男を発見した。男の首には切り傷があり、まもなく死亡が確認された。近くには日本刀のような刃物(刃渡り約50センチ)が落ちていた。
捜査1課などによると、男は警視庁の元警視で、久保さん宅の向かいに住んでいた徳永重正容疑者(86)。自殺を図ったとみて、同課は殺人容疑で書類送検する方針。徳永容疑者は妻と2人暮らしで妻は当時外出中だった。
徳永容疑者は以前から久保さんと言い争う姿が目撃されており、7月には「自宅前で殺虫剤をまいていたら久保さんに体当たりをされた」などと世田谷署に相談。今月2日にも代理人の弁護士がこの件で同署を訪れていたという。同課は2人の間にトラブルがあったとみて調べている。
現場は東急田園都市線三軒茶屋駅から南に約800メートルの住宅街。【小泉大士、喜浦遊、松本惇】