NHKスペシャルの衝撃
9月9日夜9時から放送されたNHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 追跡 復興予算19兆円」の内容は衝撃的だった。復興予算は昨年度の1次補正予算4.0兆円、2次補正予算1.9兆円、3次補正予算9.2兆円、今年度予算3.8兆円の合計約19兆円。この財源の半分は復興増税(所得税や住民税などの増税)で賄われることになっている。
多くの国民は、被災地復興のためならということで、この増税に納得しているに違いないが、その使いみちを見ると、明らかに不適当を思われる事例が番組内で数多く紹介されている。
東日本復興予算を使っての沖縄の道路整備(国交省)、青少年の国際交流事業(外務省)、被災地以外の企業の設備投資補助金(経産省)、北海道や川越の刑務所での職業訓練拡大(法務省)、反捕鯨団体(シーシェパード)対策(農林水産省)、国立競技場補修(文科省)等々。
その反面、被災地でのニーズが大きいと思われる現地の雇用や賑わいを取り戻す中小企業グループ復興事業予算(経産省)や、津波などで被害を受けた個人病院復旧に対する補助金(厚労省)などは全く足りていない。特に3次補正の9.2兆円488事業は、被災地の生活再建のための本格的復興予算の位置づけであるが、被災地以外の地域や全国が対象となる事業が205事業で、その予算は全体の4分の1にあたる2兆4,500億円にものぼると指摘されている。
民主党代表選、自民党総裁選の裏で
本来は予算審議の段階でチェックをすべきところであるが、復興の名のもとに「一刻も早く成立を!」ということで急いで審議が進められ、共産党を除く全党賛成でこの予算が認められた。そのようなどさくさに紛れて、ここぞとばかりに自分たちの役所の予算を滑り込ませるやり方は、役所のいつものお決まりのパターンだと言える。
この小賢しい工作を見破る知見が議会や政治家に求められているのだが、残念ながら現実はなかなかそうなっていない。予算委員会も大臣のスキャンダや政局ばかりにうつつを抜かしていないで、プロの政治家として本来の予算の精緻な審議をしっかりとするべきだ。この点については、わが党も含め大いに反省をしなければならない。
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