1.1 神経細胞

ニューラルネットワークの勉強をはじめる前に、神経細胞について少し学んでおきましょう。 まず、「ニューロン」という言葉は知っていますか?

ニューロンとは神経細胞のことで、1891年に WilhelmWaldeyer という人によって 神経細胞のことを「ニューロン」と呼ぶことが提唱されました。 それまでは細胞という考え方を神経系にも適用して良いかも分かっていませんでした。

次の図でニューロンについて説明していきましょう。 ニューロンは大きく分けると、細胞体、樹状突起、軸索、シナプスという部分からなります。

 

  • 細胞体(soma)
    核などが含まれている部分で、ニューロンの本体といえる部分。
  • 樹状突起(dendrite)
    細胞体から伸びだした多数の枝のような部分で、 ニューロンの入力端子にあたるところ。
  • 軸索(axon)
    細胞体から伸びだし、一般に太くて枝わかれしない、 ニューロンの出力端子にあたる部分。
  • シナプス(synapse)
    他のニューロンをつなげる役割をする。樹状突起はシナプスを通して、 他のニューロンから入力信号を受け取る。 また、シナプスの伝達効率はそれぞれ異なっている。

ニューロン間の信号伝達は電位の変化によって起こり、それがニューロンへの 入力信号となります。

ニューロンはそれをとりまく細胞外液との間に膜電位と呼ばれる電位差をもっています。 つまり、ニューロンがもっている電位は、細胞外液のほうを0Vとしたときのニューロンの電 位ということになります。

膜電位は普通−70mVぐらいを保っており、 入力信号が加わると電位があがりはじめます。 そして、あるしきい値を超えるとニューロンは瞬間的に0Vを越えます。 この時をニューロンが発火した状態といいます。

上のグラフをみると分かりますが、入力信号によってはニューロンは発火しないこともあります。 発火した場合には、 この瞬間的な電位の変化が軸策を通じて他のニューロンに刺激を及ぼします。 ニューロン間の信号伝達の様子を次のアプレットで見てみましょう。



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