これはいかにもソーシャルで話題になりそうなタイアップ。
CSR活動の認知向上が目的?
「TOTOとtotoがコラボして、最強のゴールキーパー型トイレを作ります。」とのこと。よくわかりませんね。
もう少し読んでみると、どうやらCSRとして行っているエコな活動をプロモートするためのキャンペーンの様子。ゴールキーパー型トイレとの関連はいまいちよく分かりませんが…。これからきっと意味が明らかにされていくのでしょう。
Facebookページも運営しています。現在273人がいいね!中。
CSR活動自体の魅力を高められるか
僕はこの分野は無駄に一言いいたくなる性分なので、ご容赦ください。
フックは面白いのですが、肝心のCSR活動自体が旧来的で、特段面白味がないものに感じてしまい、総じて魅力を感じませんでした。パッケージを見て美味しそうな大福だと思って食いついたら、中身がごく普通だった、みたいな感覚。
TOTOはCO2を50%減らすための環境ビジョンを設定しています。totoは、収益の一部をグラウンドの芝生化にあてています。この2社がタイアップして「グリーンの大切さ」を広げていくそうです。僕は残念ながら、この情報だけでは琴線に触れませんでした。
思うに、企業のCSR活動は、そろそろフェーズを変える時期なのでしょう。
歴史的に見れば、CSR活動は、まさに社会的責任(Social Responsibility)という社会からの圧力を受けて、受動的に始まった活動として捉えることができます。語義からも分かる通り、「社会にいいこともしてるから、許ししてね」という免罪符的な意味合いが強い、ということです。
僕らはそういう受動的な態度を見て、免罪することはあれ、ワクワクすることはありません。企業の植林活動に対して別にワクワクしないのは、彼らが「免罪符」として社会貢献活動を行っているから(少なくともそう感じさせるから)なのでしょう。
しかしながら、本質的に企業は社会に貢献する強力な力を持っています。ちょちょっと植林してハイOK、という態度は超もったいないと僕は思います。
例えば、リコーは自社の技術をどのように貧困層の人に提供することができるか、という視点でBOPプロジェクトを立ち上げています。例えばユニクロはグラミン銀行と提携して「グラミンユニクロ」を立ち上げました。こういう活動に、僕はワクワク感を抱きます。
端的に述べれば「そのCSR活動は、本業との連動性が高いのか否か」という問いになるのでしょう。植林や芝生整備は、厳しくいえば、TOTOやtotoがやるべき強い理由があるわけではありません。対するリコーやユニクロの取り組みは、自社のリソースなくては実現不可能です。大きな違いはそこにあるといえるでしょう。
なんというか、悪いことではないですし、やっている方々も悪気はないはずなので、余計にもったいないと思ってしまいます。
植林もグリーン推進もいいんですが、本質的に、企業の方々は素晴らしい価値を持っているんですから、それをCSRに組み込んでみてはいかがでしょうか。CSR部だけでなく、商品企画や開発などの部署も巻き込んで、自分たちが世の中の課題に対して何ができるのか、クリエイティブな解決策を編み出してほしいのです。それが企業にはできるはずなので。
と、色々書いてしまいましたが、とてもチャレンジングで面白いキャンペーンだと思います。なんだかすみません。「一歩先を考える2社が、一緒になってグリーンの大切さを広める活動をはじめます」とのことなので、今後のキャンペーン動向に注目ですね。
ちなみに、totoに関しては、存在自体が社会貢献みたいなところがあったりします(もともと「スポーツ振興くじ」という名称ですしね)。平成14年度から、これまで565億円のスポーツ関連の助成を行っているそうです。
「グリーン」という縛りがあるからだと思われますが、totoに関しては「グラウンドの芝生化」よりも、普通に「収益の一部は助成しており、これまで565億円を提供した」をプッシュする方が効果的な気もしました。何を押し出すかは難しいところですね。
というわけでぜひキャンペーンサイトをチェックしてみてください。
関連本。CSRの世界は深いのでぜひ多様なオピニオンに触れてみてください。