トヨタ:小型車「ヴィッツ」などリコール、対象は世界で743万台(1)
10月10日(ブルームバーグ):トヨタ自動車はパワーウインドーの不具合で小型車「ヴィッツ」(海外名:ヤリス)などをリコール(無料の回収・修理)した。対象モデルは世界で計14車種、約743万台。
トヨタは国内で計6車種、計45万9326台のリコールを国土交通省に届け出た。対象車種はヴィッツのほか、ベルタ、ラクティス、カローラルミオンなど。トヨタ広報担当の立川穣一氏によると、日本以外では、米国で247万台、中国で140万台、欧州で139万台、アジア・豪州で65万台、中東で49万台など。事故の報告はない。立川氏は対策費用について、今後の対応の中でどの程度になるかが分かるとコメントした。
国交省への届け出によると、リコール対象は2006年9月-08年7月の生産車両。パワーウインドースイッチの潤滑用グリースが均一に塗布されていないものがあるため、接点が摩耗し作動不良となる恐れがある。
独立系調査会社ティー・アイ・ダヴリュ(TIW)の高田悟アナリストは、対象台数が多いことから一時的な費用が特別損失として生じることになると指摘した上で、トヨタだけでなく、部品メーカーの株価にも影響が出るという見方を示した。
一方、高木証券の勇崎聡投資情報部長は、リコール内容が命にかかわる事故につながるものでないため、株価への影響は大きくないと述べた。投資家は中国販売動向をより注目しているという。
トヨタは過去に、一連の急加速問題で大量リコールを世界規模で実施したことがあり、その対象は800万台を超えた。
ヴィッツはハイブリッド車「プリウス」に次ぐトヨタの人気車種で、日本自動車販売協会連合会の統計によると、昨年の国内販売は約13万台。トヨタは北米向けヤリスの生産を13年に国内からフランスに移管すると発表している。
午後2時のリコール発表後、一時2950円だったトヨタの株価は2930円まで下落した。終値は前日比1.9%安の2943円。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 萩原ゆき yhagiwara1@bloomberg.net東京 向井安奈 amukai1@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net東京 Young-Sam Cho ycho2@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/10 15:51 JST