米企業、中国での事業環境への楽観的な見方後退=業界調査
[ワシントン 10日 ロイター] 中国で事業を展開する米企業の間で、売上高は増加しているものの同国での事業について楽観的な見方が後退していることが明らかになった。一方、大半は同国で投資を拡大する方針を維持している。
米中貿易全国委員会が実施した年次調査の結果が10日公表された。
それによると、対象となった111社の45%が中国での事業環境について3年前と比べ楽観的な見方が弱まったと回答。26%は楽観的な見方が強まったと回答し、29%は変わっていないとしている。
一方で89%の企業が2011年は中国での事業が黒字だったと回答した。これは7年前の統計開始以来の最高水準。このうち67%は売上高が少なくとも10%伸びたと答えた。
中国での投資については、3分の2の企業が向こう1年間に増やす計画としたのに対し、17%が投資を凍結あるいは延期したと回答。半数の企業は市場参入や投資への障壁を計画を変更した主な理由としている。
委員会によると、過去1年間に米企業の中国投資は20%超減少しており、これらの障壁や世界経済の不透明性が背景にあるとみられる。
委員会は「米企業は中国市場で引き続き売上高や収益性を伸ばしているが、コスト増加、競争の激化、市場参入や規制面での根強い障壁が原因となり、中国での事業に関する楽観的な見方が後退している」と指摘している。
米国に拠点を置く製造会社の多くは、中国政府が人民元の価値を意図的に低く抑えているとの不満を表明しているが、委員会によると、今回の調査でも25の最重要事項の中に通貨問題は含まれていない。新規採用、従業員の維持といった雇用関連事項が2年連続で最重要課題となっている。
© Thomson Reuters 2012 All rights reserved.
