Updated: Tokyo  2012/10/11 02:05  |  New York  2012/10/10 13:05  |  London  2012/10/10 18:05
 

中国中銀総裁、IMF・世銀総会を欠席-日中対立の影響拡大

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  10月10日(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、東京で今週開催されている国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会への出席を取りやめた。尖閣諸島をめぐる対立がアジアの2大経済大国の関係を悪化させる中での欠席となる。

中国国営の新華社通信は9日夜、易綱人民銀副総裁と朱光耀財政次官がIMF・世銀総会への中国代表団を率いると報じた。IMFの鎌田禎子報道官は周総裁が欠席すると述べたが、中国の謝旭人財政相が出席するかどうかは確認できないとしている。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマースの香港在勤シニアストラテジスト、パトリック・ベネット氏は、尖閣をめぐる緊張への中国側の対応だと思うと述べた上で、「中国は状況に不満だとのメッセージを送っている」と指摘した。

新華社によれば、中国の4大国有銀行は総会への不参加を表明している。周総裁はIMFと国際金融協会(IIF)の東京でのイベントで発言する予定になっていた。人民銀に周総裁の総会への参加予定について10日にファクスで問い合わせたが今のところ返答はない。中国財政省の報道室に電話したが応答はない。

10日が双十節(建国記念日)の祝日に当たる台湾では、馬英九総統がテレビ演説で、尖閣諸島は台湾に帰属するとの主張をあらためて表明、尖閣海域での台湾の漁業権を守ると言明した。

経済的打撃

中国大手行のIMF・世銀総会不参加は、尖閣をめぐる対立が観光業や自動車業界から金融業にまで広がっていることを示唆している。輝立証券リサーチの陳星宇アナリスト(上海在勤)は、「中国側の行動は経済的というより政治的な意味合いが大きい。中国政府がそのスタンスを明確にするためのやり方で、政府は日本に反対するため別の補完的な措置を活用する用意がある。中国の銀行の事業に対する影響は非常に小さいだろう」と述べた。

中国乗用車協会(CPCA)は、今回の日中対立の方が昨年の東日本大震災とその後の大津波より日本の自動車メーカーに大きな経済的打撃を与える可能性があるとしている。

記事に関する記者への問い合わせ先:北京 Zheng Lifei lzheng32@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net

更新日時: 2012/10/10 16:27 JST

 
 
 
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