世田谷女性殺害:容疑者とトラブル頻発 植木鉢の場所など
毎日新聞 2012年10月10日 22時06分(最終更新 10月11日 01時40分)
東京都世田谷区野沢1で無職、久保節子さん(62)が向かいに住んでいた警視庁の元警視、徳永重正容疑者(86)=死亡=に殺害されたとされる事件。数年前から続いていた「ご近所トラブル」が発展した。「よくもめていたが、こんなことになるなんて」。住民らは驚いた様子でこう話した。
近所の女性(61)は午前11時過ぎ、言い争う声に気づいた。家の外を見ると、久保さん方の玄関先で徳永容疑者が日本刀を振り上げ、被害女性の額からは血が流れていた。「おじさんやめて」。もみ合う2人に声をかけるのが精いっぱいだった。
住民らによると、久保さんが引っ越してきた2、3年前から2人の間でもめ事が頻発。植木鉢を家の前の私道にはみ出して置いたり、野良猫に餌を与えたりする久保さんに徳永容疑者は度々抗議していた。久保さんも周囲に「徳永さんに農薬をかけられた」などとこぼし、「取っ組み合いのけんかもしょっちゅうあった」と振り返る人もいた。
ある住民は1カ月ほど前、久保さんに突き飛ばされたと言う徳永容疑者から「告訴するから証人になって」と相談され、「近所だし、告訴なんてやめて」となだめたという。
一方、久保さんは10日朝、近所の女性らに「(徳永容疑者に)昨日、植木鉢を割られた」と話していた。事件が起きたのはその数時間後だった。【喜浦遊、松本惇、和田浩幸】