「みんな『甲子園』を目指した高校球児だったはず」
〈もう力尽きたのか。あっさりと諦めてしまうのか。14年連続Bクラスだから、若手主体のチームだから、こんな重圧は経験したことがないとでも言うのか。違うだろう。東出や梵は14年前、堂林は3年前の夏を思い出してほしい。
みんな「甲子園」を目指した高校球児だったはずである。地方大会の初戦から、負けたら終わりの一発勝負。一球に食らいつき、プレッシャーに打ち勝ったからこそ、今も大観衆の前でグラウンドに立っている〉
不覚にも、グッときた。
数多の野球記事の中でも、このコラムだけはハッキリした表情を持つ。
“批判のための批判”になってはいやしないかという意見もあるようだが、そんなことはない。中国新聞だからこそ、普段は手厳しいからこそ書ける、この半ば強引な「鯉愛」。これも、同コラムのもう一方の読ませどころだ。
しかし、17日から始まった3位ヤクルトとの3連戦では痛恨の3連敗。事実上の終戦だった。その失意はいかばかりか――。と、また、手に取ってしまう。
こうあった。
〈結論は出た。広島には宮本がいなかったのである〉
勝負どころでのリーダーシップを持ったベテランの不在。それがヤクルトとの差だとまとめていた。うなずきながら読む。
こうした紙面を持っている地元民を、心底、羨ましく思った。
内容が内容だけに、球団関係者や選手たちの中には、「球炎」の存在を快く思っていない人もいるようだ。だが、そう感じている人たちも、どこかでこの記事の内容を気にしているのだという。
それこそ、書き手冥利に尽きると言えまいか。
ともすれば、どれも同じ顔に見える野球記事が多い中、このコラムだけは、はっきりとした表情を持っている。もちろん、署名入りだ。
<次ページへ続く>
関連アスリート・チーム
野ボール横丁 バックナンバー
- “グラウンドの孔明”西武・佐藤友亮。 34歳で現役引退し、次の天職へ――。 2012年10月5日
- 金本は“新・代打の神様”になれるか!? 桧山、川藤らに見る成功の条件。 2012年9月10日
- ワンランク上の投手になるために……。 いま斎藤佑樹に必要な「剛」の投球。 2012年8月29日
プロ野球 ニュース
錦織2回戦で敗退、右脚に痛み テニスのマスターズ上海
2012年10月10日(水)20時45分 - 共同通信
【上海共同】男子テニスのマスターズ上海大会は10日、上海で行われ、前週の楽天ジャパン・オープンで初優勝し、最新世界ランキングが自己最高の15位に上がった第14シードの錦織圭(日清食品)はシングルス2…記事全文
プロ野球 コラム
-
[熱パ!クライマックス劇場]
CSに強い“安打製造機”内川聖一。常勝ソフトバンクでの意識変革とは? -
[野球善哉]
超アグレッシブな西武の1、2番コンビ。浅村と秋山はCSで爆発するか? -
[熱パ!クライマックス劇場]
若き投手陣を背中で引っ張って――。日ハム“最強の2番手”武田勝の誇り。