山中氏ノーベル賞:「国の支援のたまもの」記者会見で

毎日新聞 2012年10月08日 21時47分(最終更新 10月09日 00時26分)

ノーベル医学生理学賞に決まり、記者会見で笑顔を見せる山中伸弥教授=京都市左京区の京都大で2012年10月8日午後8時25分、森園道子撮影
ノーベル医学生理学賞に決まり、記者会見で笑顔を見せる山中伸弥教授=京都市左京区の京都大で2012年10月8日午後8時25分、森園道子撮影

 ノーベル医学生理学賞に決まった京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授の記者会見と一問一答は次の通り。

 受賞の知らせはストックホルムから電話で受けた。受賞できたのは、国に支えていただいたことが大きい。日本が受賞したと思っている。まだ無名の研究者だった奈良でも国の大きな支援を受けることができた。京都大でもさらに大きな支援を頂いた。支援がなければノーベル賞はなかった。

 感想を一言で言うと感謝しかない。国民の皆さん、京都大学、若い研究者をはじめとする同僚、友人たちが心の支えになってくれた。家族にも心から感謝したい。80歳を超えている母に報告できたことがうれしい。義理の父は今年早くに亡くなったが、天国で実父と一緒に喜んでくれているだろう。

 責任も感じている。まだiPS細胞は新しい技術。本当の意味で新薬開発や医学の役に立ったという段階にはきていない。受賞は光栄だが、研究を続けて一日も早く応用して社会貢献を果たしたい。速やかに研究に戻り来週から研究に専念して論文を出したい。

 ガードン先生と一緒に受賞できることもうれしい。研究分野を開拓された人だ。先生の発見から50年、分野の大先輩と同じ賞を頂くことは研究者人生に大きな意味を持つ。

 −−感想は。受賞はどんな点が評価されたと思うか?

 家にいて、洗濯機がガタガタ音が鳴るので、直そうと思って動かそうとしたら、携帯電話が鳴り、それが英語だった。日米にはノーベル賞に匹敵する研究者がたくさんいる。その中で選ばれ、信じられないというのが正直な気持ちだ。ノーベル賞の仕組みは知っているが、日本人の私が受賞できたのは国の支援のたまもの。iPS研究について、ガードン先生の仕事がなければ私たちの仕事はあり得ない。さらに言えば、過去50年間に幾つかのキーとなる研究成果があり、先人の先生のお陰と思う。

 −−野田首相からはどんな言葉をかけられた? 

 緊張して全部覚えていないが、「日本の皆さんを元気にするような受賞で、国を代表してお祝いの言葉を贈る」という身に余る言葉を頂いた。私たちの本当の仕事は、しっかり研究を進め、iPSの医療応用を果たすこと。これからも本当の仕事を進めていかねばならないと思った。

 −−何と答えたか?

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