「大きな政府」か「小さな政府」かの論戦は、米大統領選の恒例行事だ。しかし、財政面の制約から支出の拡大は困難な半面、減税も容易でないのが実態だ。ロムニー氏は「巨額の歳出拡大は次世代への負担先送りだ」と、オバマ政権の歳出拡大を批判。オバマ氏も、ロムニー氏が掲げる減税は総額５兆ドルに上り、税控除制度の廃止などを財源にするという主張は「計算が合わない」と追及した。

　イラク、アフガニスタンでの戦費拡大と一連の金融危機対応で、米財政は国内総生産（ＧＤＰ）比１０％以上の赤字が続く。政府の債務削減へ道筋を示すことが待ったなしの状況だが、社会保障費など痛みが伴う改革論には両候補とも深入りを避けた。