クローズアップ2012:米大統領選・テレビ討論 ロムニー氏、反転足場
毎日新聞 2012年10月05日 東京朝刊
討論会を「観戦」したオバマ氏支持の黒人活動家は「機械のような冷たいビジネスマンと思っていたロムニー氏が、意外と人間味がある人に見えた」と語った。ロムニー陣営の上級顧問、エリック・ファーンストローム氏は記者団に「討論会の勝者はロムニー氏だ」と自信を見せた。今後もオバマ政権に攻勢をかける方針だ。
一方、オバマ氏の側近、デビッド・アクセルロッド氏は「ロムニー氏の支持率は1〜2%は上がるかもしれない」と敵対候補の「善戦」を認めた。民主党系の評論家も「オバマ氏は精彩を欠いた」と指摘する。
討論会前の全米世論調査の平均値では、オバマ氏のリードは3・1ポイントで、とくに勝敗を決する激戦州では優位な戦い。オバマ陣営は「この流れを変えることにはならないだろう」(アクセルロッド氏)とみている。
候補者討論会期間中の支持率はあまり変動しないとのロバート・エリクソン・コロンビア大教授の研究もあり、流れが大きく変わるかは不透明だ。今後のテーマとなる外交問題などでロムニー氏がどれだけ議論をリードできるか、また、オバマ氏は受け身に回らず、明快な主張を展開できるかがポイントになりそうだ。
◇経済、路線対立鮮明に 政府主導で景気回復−−オバマ氏/民間活力で成長促進−−ロムニー氏
「2300万人が職を失っており、経済成長も昨年より鈍い。われわれは間違った道を歩んでいる」(ロムニー氏)