クローズアップ2012:米大統領選・テレビ討論 ロムニー氏、反転足場
毎日新聞 2012年10月05日 東京朝刊
米大統領選(11月6日)に向けた民主党のバラク・オバマ大統領(51)と共和党のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(65)による3日(日本時間4日)のテレビ討論会は、最大焦点の経済問題を巡り、支持率で優位に立つオバマ氏に、ロムニー氏が攻撃的な議論を挑み、討論の勝者を問う直後の世論調査ではロムニー氏に軍配が上がった。オバマ氏の政府主導による「大きな政府」と、ロムニー氏の民間主導の「小さな政府」の路線対立も鮮明になった。今後は反転攻勢の足場を築いたロムニー氏に対し、オバマ氏が逆転阻止に引き締めを図る展開になりそうだ。【デンバー(米西部コロラド州)古本陽荘、平地修、堀山明子】
◇雇用低迷、オバマ氏弱み
「大統領の政策の下、米国の中間層は踏みにじられてきた」。ロムニー氏はガソリンや食料価格が高騰し中間層の暮らしが厳しくなってきたことなどを矢継ぎ早に指摘し、オバマ氏の経済政策を「失政」と批判した。
この間、オバマ氏はロムニー氏とは目をほとんど合わせず、下を向いてメモを取り続けた。討論会の映像には、左側に攻撃的なロムニー氏、右側にはうつむいたままの大統領の姿が、同時に映しだされた。