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【三重】遠隔操作や巻き込まれ防ぐには… ネット切断や電源オフインターネットの掲示板などに犯罪を予告したとして津市と大阪府吹田市の2人の男性が逮捕された後、無関係だったとして釈放された事件は、パソコン利用者の誰もが「犯罪者」に仕立て上げられかねないネット社会の恐ろしさを露呈した。では、私たちが犯罪に巻き込まれないためにはどうすればいいのか。事件の経緯をもとに専門家に聞いた。 「ソフトをダウンロードした後、動きが重くなったのでパソコンを使わずに閉じた」。ウイルス感染によりパソコンが第三者に乗っ取られたために、威力業務妨害で逮捕され、八日間の勾留生活を強いられた津市の無職男性(28)は取り調べでこう語った。 逮捕容疑は、身に覚えのない「伊勢神宮爆破」などの犯罪予告を掲示板に書き込んだとされた。ネット上の住所といわれ、個々の機械に割り当てられる「IPアドレス」が男性のパソコンのもので書き込まれ、ネット事情に詳しい男性は「逮捕はしょうがないのかも」と自分を納得させた。 取り調べで思い出したのがパソコンの異常な動きと、直前にダウンロードしたソフトの存在。取調官に伝えたことでウイルスの特定が進み、吹田市の男性ともども釈放されることにつながった。 「突然パソコンの動きが鈍くなる場合は注意が必要」と話すのは、企業のコンピューターウイルス対応を担うシステムコンサルティング会社「プライド」(名古屋市中区)の男性担当者(38)。遠隔操作されるとマウスが動きづらかったり、パソコンの動作が少しずつ遅れる症状が見られるという。 緊急対処法は「異変を感じたらインターネットの接続を切るか、電源を落とす」。接続や電源を切れば第三者は操作できないからだ。だが再接続した際、操作される可能性もある。 男性も異変に気付きすぐ電源を切ったが、既に手遅れだったとみられる。パソコンの動きが遅くなった間に、画面に見えない状態でこっそり遠隔操作され、あたかも男性が操作したような痕跡を残して犯行予告が書き込まれた可能性が大きい。 自衛手段として「怪しいホームページを見ない。不用意に安全性の確認できないソフトをダウンロードしないこと」と担当者は呼び掛ける。インターネットセキュリティー会社「ネットエージェント」(東京)の杉浦隆幸社長は「新種のウイルスが検知できないと分かってから対策ソフトを出すので対応は後手に回る。誰かは最初の被害者になる」と巧妙化するウイルス対策への苦悩を明かした。 (高木梨恵) PR情報
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