大王製紙前会長の巨額借り入れ事件で、子会社7社から約55億3千万円を無担保で借り入れ損害を与えたとして、会社法の特別背任罪に問われた前会長、井川意高被告(48)の判決公判が10日、東京地裁であった。堀田真哉裁判長は「公私の別をわきまえず、子会社の資金繰りが逼迫するなど深刻な影響が生じた。厳しい非難を免れない」と述べ、懲役4年(求刑懲役6年)を言い渡した。
前会長側は判決を不服として即日控訴した。
判決によると、井川前会長は海外のカジノでつくった負債を、自身が代表取締役を兼務していた「いわき大王製紙」(福島県いわき市)など連結子会社7社の資金で返済しようと計画。昨年3~9月、7社の取締役らに指示し、本人やカジノ関連会社名義の銀行口座に15回にわたり計55億3千万円を振り込ませ、7社に同額の損害を与えた。
今年3月に始まった井川前会長の公判は結審まで計6回開かれ、検察側は前会長が1999年ごろからギャンブルにのめり込むようになったと指摘、長期間にわたり子会社を私物化していたと主張した。
一方、前会長は初公判で起訴内容を全面的に認め、謝罪。事実関係に争いはなく、弁護側は「既に借入金全額を返済しており、社会的制裁も受けている」などとして執行猶予付きの判決を求めていた。
前会長は大王製紙創業者、故・伊勢吉氏の孫で、2代目社長を務めた高雄氏の長男。2007年に社長、11年6月に会長に就任し、同年9月に巨額借り入れが表面化して引責辞任した。起訴後の同年12月に保釈保証金3億円を納付して保釈された。
事件を機に、大王製紙では経営陣と創業家側との対立が深まったが、8月に北越紀州製紙が創業家の持つ大王株を取得して筆頭株主になり、総合製紙業界3位連合が誕生。北越紀州の仲介で対立も解消した。
井川意高、大王製紙、北越紀州製紙
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