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2012年10月8日21時34分

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実用化待つ人へ「希望を持って」 山中教授が受賞会見

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【動画】ノーベル医学生理学賞に決まった山中伸弥教授の会見=飯塚晋一撮影

写真:ノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、記者会見で野田首相からの電話に出る山中伸弥教授=8日午後7時55分、京都市左京区の京都大、筋野健太撮影拡大ノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、記者会見で野田首相からの電話に出る山中伸弥教授=8日午後7時55分、京都市左京区の京都大、筋野健太撮影

 「感謝という言葉しかありません。無名の研究者だったが、国から非常に大きな支援をいただいた。多くの同僚、励ましてくれる友人が心の支えになり、助けてくれた」

 グレーのスーツに薄い水色のネクタイ姿の山中さんは午後7時52分、京都大(京都市左京区)構内に設けられた会場で受賞会見に臨んだ。常に周囲への感謝を忘れない山中さんらしく、喜びを語った。

 受賞の感想を聞かれると、「正直な話、受賞するとは全然思っておりませんでした」。発表は午後6時半。受賞の連絡を携帯電話で受けたとき、大阪市内の自宅で、ガタガタと音のする洗濯機を直そうとしていたところだったという。「もっとふさわしい方がたくさんいる。本当なのか信じられなかった」。母親にもすぐ電話で伝えたが、「母親もきょとんとしている感じだった」。

 会見の直前には、野田佳彦首相から「国民を元気にする受賞。代表してお祝いの言葉を述べたい」と祝福の電話を受けた。「総理と話すのは生まれて初めてだったので、緊張しました」とはにかんだ。

 研究の実用化を待つ人たちへの言葉も忘れなかった。「まだまだ研究が必要ですが、私たちの研究所でも200人以上が日夜研究しているし、日本、世界の研究者が前に進んでいる。希望を持っていただきたい」

 来週からは早速、研究に専念するという。「論文も出さないと。学生も待っている。この賞は過去の業績に対するというより、発展への期待という意味が大きいと信じている。それに報いるように研究開発に取り組んでいきたい」

    ◇

 会見に先立つノーベル賞サイトの電話インタビューにこう答えた。「人生の目標は、iPSの技術をベッドサイドに届け、多くの患者を救うことです」

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