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「無差別殺人」書き込みはウイルスによるなりすまし、起訴された男性が釈放


 大阪市のホームページに7月、無差別殺人を予告する書き込みをしたとして偽計業務妨害罪でアニメ演出家の北村真咲(まさき)被告(42)が起訴された事件で、書き込みに使われたパソコン(PC)が新種のウイルスに感染し、別人がなりすまして遠隔操作できる状態だったことが7日、大阪府警への取材で分かった。北村さんは事件と無関係の可能性があり、大阪地検は勾留取り消しを請求、9月21日に釈放した。

 府警によると、外部からPCを完全に乗っ取ることができる不正プログラムが仕込まれていた。北村さんになりすました第三者が書き込んだ疑いがあり、府警は実際になりすましが可能か再現するとともにウイルスの感染経路を調べる。

 また、ネットの掲示板に伊勢神宮の破壊予告を書き込んだとして三重県警が9月、威力業務妨害の疑いで逮捕した無職男性(28)のPCからも同じウイルスを検出、逮捕から1週間後に処分保留で釈放されていたことも判明した。

 県警が男性のPCを解析する過程で不正プログラムを発見。北村さんの起訴後に情報提供を受けた府警が再捜査した結果、同じファイル名のプログラムがあることを確認した。

 両府県警によると、北村さんと男性は当初から一貫して「身に覚えがない」と容疑を否認していた。

 北村さんは7月29日に、自宅PCから大阪市のHPに「(大阪・日本橋の)ヲタロードで大量殺人する」と書き込みし、市職員らの業務を妨害したとして8月26日に逮捕、9月14日に起訴された。警視庁が捜査している日本航空の航空機爆破予告メールでも北村さんが発信源とされた。

 新種ウイルスの発覚を受け、警察庁は都道府県警にサイバー捜査でなりすましに注意するよう指示した。

 北村さんはアニメ「機動戦士ガンダム00」の助監督や「ケロロ軍曹」の演出を担当した。

[産経新聞社]


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2012/10/9 11:58