国が県に対して受け入れるよう要請している震災廃棄物(がれき)の広域処理について、伊賀市は10月9日、岩手県久慈市での現地視察会をまとめた報告書について、市議会議員全員懇談会で説明した。
視察会は県の主催で、報告書も県が作成した。先月25日に、滝沢村にある民間の破砕選別処理施設と久慈市内のがれき仮置場の2か所を訪れた。
報告書によると、参加者は「区域外の一般廃棄物の受け入れに関する審査会」「伊賀市ごみ減量・リサイクル等審査委員会」「市環境保全市民会議」などのメンバーら10人。県・伊賀市の職員各2人も同行した。
空間線量率の測定結果も示しており、県内の四日市や伊賀、伊勢、尾鷲の4市が毎時0・045マイクロシーベルトから毎時0・092マイクロシーベルトに対し、久慈市のがれき仮置場は毎時0・05マイクロシーベルトから毎時0・06マイクロシーベルトで、「県と同じレベル」。滝沢村の破砕選別処理施設は、毎時0・03マイクロシーベルトから毎時0・04マイクロシーベルトで、「県より低いレベル」と報告。滝沢村の同施設で測定した放射能濃度は「検出下限値以下」とした。
視察会参加者のアンケートでは▼がれきの安全性について「安心だと感じた」(7人)、「不安が減じた」(2人)、「どちらともいえない」(1人)▼風評被害の発生について「心配ない」(3人)、「不安の解消につながった」(3人)、「どちらともいえない」(4人)など、「安全性、必要性、風評被害について参加者から概ね理解が得られた」とまとめた。
議員からは、3日と4日夜にあった、焼却処理施設「伊賀南部クリーンセンター」(同市奥鹿野)周辺の地区代表者らに対する説明会での様子を尋ねる質問があり、内保博仁市長は「(名張市と伊賀市の青山地区以外のごみは持ち込まないとする)協定書の内容変更がない限り、市として容認の態度は取れない」と話した。