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【格闘技】

中西が死の淵から帰ってきた 首のケガから492日ぶりリング

2012年10月9日 紙面から

◇新日本プロレス

矢野にアルゼンチンバックブリーカーを決める中西=両国国技館で

写真

 ▽8日▽東京・両国国技館▽観衆9000人(満員)

 テレビのバラエティーでも人気者になっていた日本屈指の怪力レスラーで、昨年6月の試合中に首を痛めて生死の境をさまよった中西学(45)が、1年4カ月ぶりにリングに復帰。盟友の永田裕志(44)、米国のストロングマン(40)とタッグを結成した。試合には敗れたが、不屈の復活劇に超満員の観衆から大きな拍手を浴びた。

 大観衆のスタンディングオベーションに迎えられ、誰からも愛される野人・中西が492日ぶりに戻ってきた。対戦相手の矢野通&飯塚高史&石井智宏のヒール軍団に逆水平チョップを繰り出し、アルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げた。豪快なジャーマンスープレックスも決めた。矢野の裏霞(エビ固め)でフォール負けしたが、11分29秒の試合中、ずっと中西コールを浴び続けた。

 昨年6月4日、相手選手のジャーマンスープレックスで後頭部を打ち、意識を失った。救急車で病院に運び込まれ、中心性脊髄損傷と診断された。なんとか一命は取り留めたものの、車いす生活は避けられないともいわれた。だが、もう一度プロレスをやりたい一心で、4カ月後の10月7日に手術。筋トレを欠かさないマッチョな男が腕立て伏せを1度もできなくなっていたが、懸命にリハビリとトレーニングを続けた。首の後ろには20センチほどの手術痕。全身の筋肉が落ちてげっそりしていたが、今は事故前の15キロ減まで戻した。

 試合後、リング上で四方に深々と頭を下げた。パートナーの永田は、涙でコメントできなかった。中西は赤く目を腫らしながら「自分を見捨てず、応援してくれた人たちに感謝します。でも、まだできないこともある。それが現実。それでも自分は生き残っていきます」と、力強く語った。 (大西洋和)

 

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