青森県議が加担した
馬泥棒の実態
騒いだら、馬、返すそうだ。しかし、あくまでシラを切る性悪さ
盗難馬が民主党青森県議の名義に…

本紙が先月号から「競争馬の名義貸問題―無断名変」で追及し始めた疑惑の馬主・山内正孝氏の主な肩書きは民主党青森県総支部連合会常任理事…要は青森民主党の幹部である。
常任理事なら、さぞ地方行政の為に時間を割き身を粉にして尽力しているのかと思いきや、山内には他に沢山の名義・肩書きがあり、それらの業務を本当にこなしていたら忙しくて、とても地方行政にまで手が廻せるように思えない。
鈴木宗男氏を筆頭に地方の族議員のそうそうたる顔ぶれが役員に名を連ねる社団法人日本軽種馬協会では副会長理事を務め、JRA日本中央競馬会運営審議会委員であり、青森県軽種馬農業共同組合代表理事組合長、八戸畜産農業共同組合代表理事組合長、ほか青森県の馬・鳥獣に関する多数の団体の会長職を務めている。
八百長疑惑の調教師に馬をパクられ
本紙追及の「競争馬の名義貸問題―無断名変事件」を要約する。
大野肇江という女性が所有している競走馬の中に「コアミー」という馬がいる。このコアミーの調教師・函館という男は、以前より胡散臭い行動が目立っていた。そして大野女史は函館と函館の選んだ騎手・矢内廣がコアミーをわざと遅く走らせているんじゃないかという疑惑を抱いていた。
今年になって、2回に亘り矢内以外の騎手に変えたら、いつもドンケツだったコアミーが、2回ともトップ集団に躍り出た。大野女史は疑問を函館に突きつけた。それから、函館の携帯電話が不通になった。いくら連絡しても返事が来ない。
暫くしてコアミーのファンから「ネットを見たらコアミーの馬主が『山内正孝』になってます、どうしたんですか」と電話を受けた。大野女史は仰天し、確認の為、四方八方手を尽くして函館を探した。ようやく連絡が取れ詰問すると函館は「コアミーは売っちまったよ」と開き直った。
コアミーの買主で、民主党青森県総支部連合会常任理事、JRA日本中央競馬会運営審議会委員という肩書きを持つ山内正孝とは面識すらなかった。ほっておいても埒があかない為、大野女史は弁護士を通じ山内に連絡した。
青森県議の堂々たる「知らんぷり」
山内側は「何の事だかさっぱり分らない。コアミーなんて聞いた事もない」と主張した。大野女史が本紙に相談してきた。本紙は山内に対し、コアミーに対する事実確認の文書を送付した後、先月号で記事にした。
先日、大野女史から山内の弁護士が前言を撤回し「コアミーを返す」うんぬん言ってきたと報告があった。よかったですね、と言ってやりたいところだったが大野女史は憤慨していた。
大野女史宛に届いた文書を読んでみると、山内の弁護士の言い分は「返す代りに山内は無関係だと言う事にして下さい」「山内は知らなかった事なのでコアミーが競馬に出れなかった間の補償は出来ません」という図々しい話なのだ。
更に、「四の五の言うと(今は山内が馬主・名義人であるからコアミーは山内の物であり)山内がコアミーを抹消登録して競馬に出せなくしちゃうぞ」というような意味合いの文言まで山内の弁護士からの文書に書いてあった。競走馬が登録を抹消されれば、その価値はもう、死亡したも同然なのだ。
盗難物を返還するのに条件つける
青森県議のふてぶてしさ
盗人猛々しいとはこの事で「盗品であっても今は自分に所有権がある。文句言うなら返さない、捨てちゃうぞ!」とゴネてる新宿辺りの故買質屋と同じような話を、民主党議員さんが持ち出しているのだ。対象物が馬だから難しい契約に思われてしまうが、実は文書上の登録名義が山内正孝になっているだけの単純な話だ。これが「車ドロ」なら、お巡りさんが直ぐに駆けつけ「車検証はアンタの名義でも本当の所有者じゃないだろ、盗難車に乗ってると逮捕するぞ」と警棒で山内の頭をゴツンと一発やってくれて終わる話だ。まぁ相手が現職の青森県会議員だから殴るわけにもいかないだろうが。
山内の弁護士としたら、このコアミーの抹消登録を駆け引きに持ち出すのは交渉手段として有効と思ったに違いない。
しかし「浅慮」は全てをブチ壊しにする。大野女史としてみれば、走り盛りのコアミーの貴重なレース期間を「無断名変」によって出走させられなかっただけでも腸が煮えくり返る思いである。また、山内がコアミーのことなど知らないとスッ呆けた事も許せるものではない。
「返す」けど悪意は一切認めない
青森県議のおかしな言い分
(悪くないなら返さなきゃいいのに)
本来、平身低頭して「本当にすみませんでした」と自身で詫びを入れてくるのが筋である。素直に謝っていれば、大野女史も憎まれ口の一つも叩いた位で話は終らせた筈だ。
しかし、自分の非は一切認めずに、相手に対して、ひたすら自分の保身の面倒を見ろ、と山内は言っているのだ。大野女史は切れた。山内にコアミーを返させるのは当然のこと。何故ならコアミーは盗まれた馬、騙し取られた馬、大野女史の馬なのである。
ぶち切れた大野女史は訴訟にすると決定した。この点も、山内側弁護士は「訴訟をすると不当訴訟になりますよ」と先手を打った心算だろうが、大野女史らは一笑に付している。何より自分自身が最後までしらばくれ一度も頭を下げないのが腹立たしいのだ。
この山内という男もふてぶてしい野郎だ。初めは知らないと逃げながら、証拠を出されたら、馬を返すから勘弁してくれと言う一方で、補償を問われたら開き直るし、最後には自分は全く知らなかった事で、さも函館が一人でやった事件ということで終らせようとしている。
おかしな点を突っ込む度
青森県議側の話はコロコロ変わる
函館はハッキリ「コアミーは売っちまったよ」と言っている。売買というのは一人では成立しない。大野女史の了解なしで函館は馬を売った。その買った相手は山内だ。本来なら、売り=大野、仲介=函館、買い=山内となって、山内から函館を通じて大野女史へお金が渡り、大野女史から山内へ金額相当の領収書が渡っている筈である。
山内の弁護士からの通知にも(最初は全く覚えがないといっていたくせに)、「実は五十万円を函館に渡して馬の購入を任せていた」といっている。
五十万円も渡しておいて、馬をいつ買ったか全く知らなかったとか、どんな馬か未確認だったなんて、山内はどれだけ金を湯水のように使えるのだ。青森県議とは、五十万円くらい他人に渡しといて忘れてしまえるほど儲かる商売なのだろうか?それともいちいち確認できないくらい、日々、馬の売買に明け暮れているのか?
山内が馬を登録して自らの馬として出走させるにあたって、それなりに書類や印鑑が必要であろう。大野女史は何一つとして書類を渡した覚えはないというから、誰かが勝手に必要書類を偽造した恐れは大いにあるのではないか。函館と山内は日大卒で大学の同級生というから裏で胡散臭い話がされたのは想像がつく。
馬泥棒の実態解明徹底取材します
本当はこの話、四月の統一地方選の前に情報として入ったんだけど、選挙前に出せば完全にアウトになると思って情を掛けてあげた心算だけど、本人が開き直るならトコトン世に問いましょう。確かに函館はワルだけど他人の馬が勝手に自分の馬になるわけあるまいし、誰かが恣意的にやらなければ、今回の事件は起るまい。
ましてや山内は、馬関係の商売を手広くやっており、競馬団体の役員を複数務めている馬のエキスパートなのだから、真の持ち主から咎められるまで、他人の馬が自分名義になっていたと言う事を、かなりの長期間ぜんぜん気がつかなかった等という言い訳がまかり通って良いわけがない。民主党は清貧というイメージが強いけど、こういう男もいるんだねー。
山内君、君に競馬関係の役職に名を連ねる資格はないよ。全て今回限りで辞任しなさい。
もし辞めないなら中央競馬会、地方競馬会の偉い人に君のお尻をペンペンするようお願いしておくよ。つづく