振り込め詐欺で被害者から金を受け取る「受け子」として現金をだまし取ろうとしたとして、松戸署は４日、神奈川県秦野市南矢名、私立大３年、山田正之容疑者（２１）を詐欺未遂容疑で逮捕したと発表した。ＪＲ東日本社員をかたる人物が登場する手口で、捜査関係者は「今まで聞いたことがない」と注意を呼びかけている。

　同署によると、山田容疑者は他の数人の男と共謀し、２日午前１１時半〜午後１時ごろ、松戸市の無職の男性（７１）方に息子を装い「電車でかばんを落とした。３９０万円分の小切手が入っていて、すぐ現金化しないとまずいので金を用意してほしい。友人が取りに行く」などと複数回電話。その後、男性宅で現金を受け取ろうとした疑いが持たれている。息子を装う電話の後には、「ＪＲ東日本の田中」を名乗る別の男から「かばんが見つかったので郵送したい」と住所を尋ねる電話もあったという。

　話の内容を不審に思い、息子に確認の上で１１０番。駆けつけた同署員が男性宅に現れた山田容疑者を逮捕した。「金欲しさにやった」と容疑を認めているという。【小林祥晃】