今日(3日)から外国特派員協会(FCCJ)のダイニングルームは再開すると言う。東急系のIRSへアウトソーシングの第一日だ。気張ってミスの無いように采配を振るうだろうから(それ自体は良いことだ)その成果を見てみよう。ただサーブする連中は従来の従業員は(これ以下の記事はFCJ代理人、横木雅俊弁護士より「法的措置」をとると言われ削除する)
有川浩と言う名前から男性作家だと思っていたが写真を見ると未だ30代の女性。評判の「県庁おもてなし課」(角川書店:2011年3月刊)はドキュメンタリーのようなフィクションだ。高知県生まれの有川が高知県庁に実際存在する「おもてなし課」を舞台に高知県全体をレジャーランドとして日本全国に売り出す。主人公はおもてなし課員、掛水。観光立県を目指す振興企画の一環として地元の人気作家吉門に「観光特使」を依頼するが、お役所仕事と官吏の発想に吉門から厳しい批判を浴びせられる。
日本全国で町おこしが盛んだが鋭い視点でそのポイントを突き地方活性化を説く実用的な小説だ。横軸に掛水と吉門の二組のロマンスを絡めてユーモラスに読ませる。高知県に行ったことが無いので実地の感覚が湧かないが、最後までじっくりと堪能させられる。
若いころは六本木の「シュガー」から始まり、新宿の「ギャルソンパブ」「黒鳥の湖」そして六本木の「金魚」とオカマ(失礼!ニューハーフ)のショウを酔った勢いで見まくったものだ。最近はそんな元気も無いが未だこれらのショウパブは健在のようだ。
「EDEN」はそんなショウガールたちの生き様を描く。新宿のショーパブ「エデン」で働く店長兼振付師のミロ(山本太郎)は仲間の従業員でダンサーたちと仲良く楽しく日々を送っている。事件はミロの42回目の誕生日パーティで起こった。すっかり酔ったノリピー(越山則夫)を介抱しながら新宿繁華街の裏のオンボロ長屋へ連れて来たミロは朝目を覚ますとノリピーは死んでいる。駆けつけた刑事たち(及川れいぞう&日向丈)はオカマに偏見があり、傷ついたミロは長屋に帰って来る。長屋の住人たちは変な連中ばかり。直ぐネタがばれる手品師(大鶴佐助)韓国人のインチキ女占い師(江口のりこ)改造拳銃を製造中のチンピラ(木下ほうか&、水澤紳吾)など。叩けば埃が出る彼ら死体への関心より警察が何を調べたか、にある。一息入れたミロにまたしても事件が。「エデン」のオーナー美沙子(高岡早紀)がストーカー被害にあったと言う。
おかまばかり見ていると40歳で余り美人でもない高岡が出て本物の女性が顔を見えるとホッとする。ストーカーは進学塾の敏腕教師だと知り、ミロはオカマ軍団を率いて塾に押しかける。実直そうな教師が恐怖で顔を引きつらせるが皆に杖でひっぱたかれて折檻を受けると快感を覚えているのは笑える。
松田聖子の「赤いスィートピー」を皆で歌いノリピーを送りだす葬儀の場などホロッとさせられる場面もあるが、どうも感情移入が出来ず生理的にこの手の映画は違和感を避けられない。オカマ映画で最高なのは中島丈晴の「おこげ」で93年ころNYのハウストンのアートシアターで見たがオカマのアメリカ人観客が拍手喝采をしていた。
主演の山本太郎はオネエ言葉を使って身をしならせて芝居をするが、どうも板につかない。この人の本質はマッチョだと思う。他の出演者たちも本物のトランスヴェスタインは居ない。だからドラマ全体がしっくりと来ない。
1年前に71歳で亡くなった原田芳雄にエンドクレジットで献辞を受けている。原田が船戸与一の短編小説「夏の渦」を気に入って映画化を勧めていたと言う。
倒産して表舞台から消えたシネカノンの李鳳宇がプロデューサーで復帰しているのが目に付く。「フラガール」「パッチギ」など名作を生み出している非凡な映画人だ。監督は武正晴のデビュー作。井筒和幸や崔洋一の助監督を長く務めて彼らのテクニックを盗んでいる。
ロケは新宿二丁目にあるショーパブ「白い部屋」で行われているのでセットと違う現場実在感がある。
11月17日新宿Ks Cinema他で公開される。
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