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2012年7月13日

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「メリダとおそろしの森」(BRAVE)(アメリカ映画):ディズニー調のピクサーアニメ。13本目も大ヒットで推移。

 6月末の電通株主総会で僕が質問したエンターテインメント・ビジネスの質問に担当の杉本常務はズレていて「国際化を推進する」と答えていた。1週間後にパーティで会った石井社長も話題は「国際化」に終始していた。コンテンツビジネスは全く頭に無いようだ。
 それもその筈、今朝の日経で総てが分かった。英国大手代理店「イージス」(Aegis Group plc)を総額4000億円で買収すると言うのだ。広告代理店世界ランク5位の電通と8位のイージスを吸収してもランキングは変わらないが、売上高総利益額は58.88億ドル(4710億円)にもなる。注目するのは電通の前年比総利益の伸び率が13.0%に対してイージスが25.1%もあることだ。急成長を遂げている会社だ。電通では今までフランス・ピュブリシス社の最大株主となって1500億円を投資したがユダヤ人女性経営者に翻弄されて成長は見込めず、今年初めに解消し株式売却益で昨年度決算は伸び率13%になったものの、国内広告市場は低迷を続け今後も数%の成長しか期待できない。
乾坤一擲の4000億円の大ギャンブル投資だ。今まで汐留に新社屋を建てる時に土地代を含め3000億円が最大投資だったから、電通史上最高の金額。
前にも書いたが電通がIPOに踏み切った時、世界最大の広告代理店グループWPPの総帥、マーティン・ソレルが僕に「これで電通を傘下に収める目途がついた」と語っていた。市場に出ている株は少ないが、経営が低迷し赤字体質の大株主、共同や時事がドンドン株を放出しているからだ。(実際100万株単位で両社は放出して株価を下げている)本当に行き詰った時に相対でプレミアをつけて買いまくるとアルコールが入ったマーティンは秘策を洩らした。それにあらぬか電通経営陣はWPPを嫌い、両社ジョイントベンチャーの電通ワンダーマンから社員を引き上げ、DY&RやDS&Hに冷たくし、ピュブリシスから資本を引き揚げ、徐々に準備をしていたのだ。キーポイントは今まで電通の国際政策は日本人社員が仕切っていたが、トヨタアメリカから引き抜いたティム・アンドレーが非常に優秀で、このところ国際の収入比率を引き上げティム自身も執行役員に名を連ねている。2メートルを遥かに超す元NBLのバスケット選手。取締役の松島訓弘が執行役員ティムにレポートすると言う逆転現象が起こっているのも頷ける。
電通の社長は創業以来新聞局地方部出身が引き継ぐと言う不文律があった。地方紙をマネージするだけの過去の遺産に取りつかれている連中にビッグ・ピクチャーは描けない。昨年6月に就任した石井直社長は新聞の経験は無い。ずっとクライアント担当で汗を流した。もし石井社長でなくトラディショナル社員が社長になっていたら、このような英断は出来なかっただろう。この快挙を暖かい目で見守って行きたい。

 汽笛を鳴らして鉄橋を渡る汽車、夜空に打ち上げる花火、ライトに映えるお城のエムブレムで始まる映画は王女、王様、女王、魔女、呪文、道化が登場して伝統的なディズニー・アニメだ。ところが違うんですね。ピクサーの13本目の作品は初めて女性が主人公になり、命を賭けた冒険が無くなり保守的な昔のお伽話の世界に入って行く。ピクサーファンはがっかりするだろうが、ディズニーファンは喜ぶ。だが子供たちにとってはピクサーもディズニーも関係ない。楽しければ嬉しいのだ。だから6月22日に北米で幕を開けたこの映画の興行成績は週末3日間で6673万ドル(534億円)と言う大ヒットとなった。

 スコットランドのある王国。男勝りのお転婆王女メリダ(声:ケリー・マクドナルド)。馬に乗り得意のアーチェリーを駆使して森を駆け巡るのが大好き。メリダが幼い頃、遊んでいた最中に獰猛な熊に襲われた。王女を守り戦って片脚を失ったファーガス王(ビリー・コノリー)はその武勇伝を語るのが大好きだ。メリダ年頃になり、三つ子のやんちゃな弟たちが生まれる。母のエリノア(エマ・トンプソン)は早くメリダを結婚させようとする。反発するメリダ。二人の間に溝が出来る。メリダと結婚しようと一団を率いて集まって来るのは王国に繋がる3つの氏族の長子たち。激しい武術の競技が始まる。それでも結婚したくないお転婆のメリダは慣習を押しつけるエリノア王妃に反発し城を飛び出し森に入る。ストーンヘッジまで来ると馬のアンガスが尻込みを始め徒歩で進む。そこに青白く光る鬼火に導かれて行った先に皺くちゃで歯が無い小さな魔女(ジュリー・ウォルターズ)が居た。

 母親の考え方を変えて欲しいメリダは魔女に薬を調合して貰いケーキにして母に食べさせる。すると母親は突如大熊に変身する。熊になっても心と頭脳は王妃のまま。だが言葉は喋れない。自分の主張ばかりでエゴイストのメリダは初めて母に悪いと後悔し懸命にコミュニケーションを図るのが興味深い。
 王妃の部屋の大熊と王様や氏族の荒くれ男たちが熊退治に駆け付ける。てんやわんやの大騒ぎの中、何とか魔女を捕まえ呪いを解こうとするメリダ。

 最初は違和感を覚えたピクサー調を離れディズニー・スタイルのアニメだったが見終わっての感想は悪くない。ヒットする要素は充分にある。だがファンとしてはディズニースタイルはこれだけにして14作目からは従来のピクサー調冒険譚に戻って貰いたい。

 エンドクレジットでピクサーの創設者で昨年10月に56歳で亡くなったスティーブ・ジョブスに献辞が捧げられている。
 7月21日より2D,3D併映でTOHOシネマズ日劇他で全国公開される。

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